教員採用試験対策講座
教員になるには
まずは
教員免許状を取ろう!
いじめや不登校など社会変化とともに教育をめぐる問題も複雑化し、教員にもより高い資質が求められる昨今、先生という仕事は決して楽な仕事ではないでしょう。
しかし、子どもたちに囲まれ慕われ、その成長していく姿を見守りながら自身も同じように成長していく「先生」という職業は、他では決して味わえない感動や大きなやりがいがあることでしょう。
そんな「先生」になるためには、まずは各都道府県の教育委員会から授与される教員免許状の取得が必要です。そのうえで、都道府県(市)で行われる教員採用試験に合格しなければなりません。(私立の場合は、学校ごとに募集・選考等となります)
一般に教員免許と呼ばれる免許状には、①普通免許状、②特別免許状、③臨時免許状の3種類があります。
①普通免許状は、修学レベルに合わせて「専修免許状(修士課程修了)」「1種免許状(大卒)」「2種免許状(短大卒)」の3つにランクされています。②特別免許状は、教員免許状を持っていないけれど、各分野で優れた技術や知識、経験を持っている社会人に特別に免許状が授与される制度です。③臨時免許状は、「助教諭免許状」ともいい、普通免許状を持つ者を採用できない場合に授与されます。
また、免許状は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・養護・栄養教諭に区分され、中学校・高等学校はさらに教科別に分かれています。
区分 | 大学院修士課程修了 | 大学卒業 | 短大卒業 |
---|---|---|---|
幼稚園教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | 2種免許状 |
小学校教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | 2種免許状 |
中学校教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | 2種免許状 |
高等学校教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | ― |
特別支援学校教諭 | 専修免許状 (幼・小・中・高いずれかの 普通免許状が必要) |
1種免許状 (幼・小・中・高いずれかの 普通免許状が必要) |
2種免許状 (幼・小・中・高いずれかの 普通免許状が必要) |
養護教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | 2種免許状 |
栄養教諭 | 専修免許状 | 1種免許状 | 2種免許状 |
区分 | 教科名 |
---|---|
中学校 | 国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、保健、技術、家庭、職業、職業指導、職業実習、外国語(英語等)、宗教 |
高等学校 | 国語、地理歴史、公民、数学、理科、音楽、美術、工芸、書道、保健体育、保健、看護、看護実習、家庭、家庭実習、情報、情報実習、農業、農業実習、工業、工業実習、商業、商業実習、水産、水産実習、福祉、福祉実習、商船、商船実習、職業指導、外国語(英語等)、宗教、柔道、剣道、情報技術、建築、インテリア、デザイン、情報処理、計算実務 |
学校の先生を目指すなら、教員を養成することを目的としている教育系の大学に入るのが常道です。特に小学校・特別支援学校教諭を目指すなら教員養成系の大学へ行くのは必須です。小学校の教員を目指しながらでも、いつくつかの単位を上乗せすれば中・高等学校の免許状が取得できたり、逆に中・高等の教員を目指しながら小学校の免許状を得ることが可能なのも教育系大学のメリットです。
教員養成系の大学や学部でなく一般の大学の学部でも教員免許状を取得することは可能です。中学校・高等学校・養護教諭・幼稚園・栄養教諭では、各大学の学科で教職課程を設けていれば、それを履修することで取得できます。特に、中学校と高等学校の免許状は、教科ごとの区分ですので、小学校や特別支援学校の教員免許状より取得しやすいとも言えます。ただし、教職課程が卒業に必要な単位とされていない場合が多いので、卒業までの単位取得の負担は大きくなります。
また、通学が困難な人のために通信教育も設けられています。通信教育では、「正科生」と「科目履修生」があります。正科生では、通学の場合と同じく学位の資格と教員免許状の資格を得られます。科目履修生は、すでに学位をもっていたり、1種または2種免許状取得者が他の校種や科目の免許状を取得するために、必要な科目や単位だけを習得することができます。大学や短大を卒業したけれど教職課程を取っていなかった人も、必要な科目を履修して教員免許状を取ることができます。
特別な取得方法として、文部科学省が年に一度行う教員資格認定試験もあります。詳しくは文部科学省のHPでご確認ください。