教員採用試験対策講座
教員になるには
教員採用試験について知ろう!
教員採用試験は、学力試験の得点のみによって合否が決まる競争試験ではなく、教員免許状を取得している(取得見込み含む)人の中から「教員としてふさわしい資質・能力を有する人材を確保する」ために、各都道府県及び政令指定都市・大阪府豊能地区(以下「都道府県・市」とする)の教育委員会が実施している選考試験です。
試験の内容は都道府県・市によって異なりますが、原則として、まず学力試験(主に教職教養・一般教養・専門科目の筆記試験)の得点が、教師としてある一定の基準に達しているかどうかが判断基準の1つとされます。その上で、論作文試験や人物試験(個人・集団面接、集団討論、模擬授業等)による人物評価を重要視した試験により、採用候補者の選考がなされます。したがって、受験者が選考される(合格する)ための条件として、
が挙げられます。この2つの条件を満たして初めて合格するのが教員採用試験であり、どちらか一方が不足していては合格できないという点が最大の特徴と言えます。
●使命感や責任感 ●教育的愛情 ●教科や教職に関する専門的知識 ●実践的指導力 ●総合的人間力 ●コミュニケーション能力 など
これまで教員として不易とされてきた資質能力に加え、自律的に学ぶ姿勢を持ち、時代の変化や自らのキャリアステージに応じて求められる資質能力を生涯にわたって高めていくことのできる力や、情報を適切に収集し、選択し、活用する能力や知識を有機的に結びつけ構造化する力などが必要である。
アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善、道徳教育の充実、小学校における外国語教育の早期化・教科化、ICTの活用、発達障害を含む特別な支援を必要とする児童生徒等への対応などの新たな課題に対応できる力量を高めることが必要である。
「チーム学校」の考えの下、多様な専門性を持つ人材と効果的に連携・分担し、組織的・協働的に諸課題の解決に取り組む力の醸成が必要である。
教員採用試験について、実施要項の入手から出願、1次・2次試験、合格発表、そして採用内定という一連の流れは下記のようになります。
実施要項は、各自治体の教育委員会が配布・インターネット上で公開しています(郵送による請求方法は、志望する教育委員会に直接お問い合わせください)。
願書の受付期間はおおむね1~2週間ですが、短いところでは、持参の場合3日間という場合もあります。また、近年では多くの自治体で電子申請(インターネット出願)が主流となっています。
なお、「自己アピール」や「自己紹介文」を出願時に提出させる都道府県・市も増えており、これらは選考の際の重要な資料となるものなので、十分に内容を吟味する必要があります。
実施要項には、様々な資格制限や規定、試験内容、試験日程さらには自治体が求める教員像に至るまで、貴重な情報が掲載されています。試験の内容が前年度から大きく変更されることもありますので、早めに手に入れて、内容をしっかりと把握するように心がけましょう。特に下の項目は必ずチェックするようにしましょう。
2次試験に合格すると採用候補者として名簿に登録され、市区町村教育委員会や学校長による面接・健康診断などを経て、赴任校が決定されます。
この期間に赴任先が決まらず4月1日付で採用にならなくても、その後欠員が生じて採用となる場合もあります。ただし、採用候補者名簿の登載期間は通常1年間のため、期間内に採用されなかった多くの場合は候補者としての資格を失い、次年度に再受験しなければならなくなります。
1次試験では筆記試験による学力試験を中心に、論作文・人物試験・実技試験・適性検査等が実施され、試験内容は都道府県・市により異なります。
最新の試験日程については、教員採用試験概要ページでご確認ください。
教員採用試験は、原則として1次試験と2次試験の2段階に分けて試験が実施されます。およそ地区ブロック単位で試験日が統一されていますので、2つ以上の自治体を受験することも可能です。実際には受験地への移動にかかる負担や、2次試験の日程の重複などを考慮しなくてはいけませんが、教員になるためのチャンスを増やす、あるいは第一志望の自治体受験のための予行練習といった理由から、他の自治体の併願を考えるのも一つの方法です。