東京アカデミー難波教室
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看護師国家試験では、現在、問題となっている社会的な事柄を問う問題が出題されます。その一例を掲載いたします。
AM86 社会保障 Ⅰ-1-A-a,b 正答率21.2% 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律<医療介護総合確保推進法〉で推進するのはどれか。 2つ選べ。 ( 6.6%) 1. 子育て世代包括支援センター (60.4%) 2. 地域包括ケアシステム ( 8.1%) 3. 子どもの医療費の助成 (67.0%) 4. 地域生活支援事業 (56.1%) 5. 地域医療構想 正答 2,5 |
(注意)設問の括弧内の数字(%)は受験生の何%がどの選択肢を選択したかを表します。弊社実施のWEB採点会(第109回国試受験生65,569名のうち、40,582名が参加)の集計データに基づきます。
1.× 子育て世代包括支援センターは、母子健康法に規定される。
妊娠期から子育て期にわたる支援を行う機関として規定された。市町村は設置の努力義務を負うものとされる。
2.〇 地域包括ケアシステムは、 医療介護総合確保推進法により高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるようにするため介護・医療・生活支援・介護予防を充実する制度として構築された。
3.× 子どもの医療費の助成は多様にあるが、例を挙げるならば「小児慢性特定疾病医療支援」があり、児童福祉法に規定される。
4.× 地域生活支援事業は、障害者総合支援法により法定化された。障害者や障害児が、自立した生活を営むことができるようにする事業を都道府県や市町村が実施する。
5.〇 地域医療構想は、 医療介護総合確保推進法により、都道府県が医療機能ごとに医療需要と病床の必要量を推計し定めるものである。
社会保障は、今までの国家試験にも出題があった出生率、医療保険等に加えて現在問題となっている社会的な事象を問う問題が増えた。社会保障全体の正答率が47.1%と受験生にとっては、難しかったのではないかと思われる。近年、国家試験では過去問題と同じ問題は出題されず、特に今回の社会保障の問題については、社会的な事柄に関心を持ち学習すること、出題基準には挙げられている法律であることから、出題基準を丁寧に学習することが重要であると言える。