東京都教員採用試験　受験倍率について②（小学校編）

こんにちは！東京アカデミー津田沼校の教員採用試験担当です。

もうすぐ12月を迎えます。「師走」は「師」と呼ばれる人も慌ただしく走り回る月だと言われています。周りは慌ただしくても、教員採用試験の対策を進めている皆さんには、是非腰を据えてじっくり学習を進めていただきたいと思います。

さて、昨日に続き、東京都教員採用試験の分析として、小学校全科について過去3年の傾向をご紹介致します。小学校の倍率は他の校種・教科に比べて低いのですが、では数字が示す通り合格しやすいのでしょうか？？

★受験者数・最終合格者数等の変化について《最終合格者から見て》
では実際に公開されている数値から最近の受験状況を見てみることにしましょう。まず、こちらの表をご覧ください。

 【小学校全科（理科コース・英語コース含む）の受験者数・最終合格者数・倍率の推移】

 採用見込み数（実施要項発表時に公表される採用予定数）よりは最終合格者数を多く出していますが、採用見込み数・最終合格者数ともに減少の傾向にありますので、余裕が持てる試験だとは言い切れません。ただし、採用見込み数の減り方（2020年は2019年の約70％）ほど、最終合格者数の減り方（2020年は2019年の約95％）は激しくないので、合格の可能性は比較的高いと言えそうです。

また、近隣県の採用状況から見ても、

【近隣県の採用状況】

 採用合格者数・倍率いずれから見ても合格の可能性は東京都が高いように見られます。余談ですが、東京都の勤務校配属先は都内全域（島しょ部も含む）であることは念頭に置いておく必要があります。東京都教育委員会管轄で、小学校数1,273校・児童数580,786人（2018年5月1日現在）という規模を考えれば、これだけの採用人数になることは頷けますね。

★1次試験の合格率について
さて、次は1次試験突破率について見ていきましょう。

【東京都の「1次試験突破率」】  

 1次試験は教養試験（教職教養のみ）・専門科目試験・論作文試験と、筆記に関する試験が中心になります（教養試験・専門科目試験はマークシート式）。東京都の専門科目試験は、知識中心（最後の大問は学習指導要領より出題）の出題で、問題数が非常に多い（60分で54問）ことが特徴です。

1次試験突破率で言うと、ここ3年のうちで一番低い状態だということがわかります。また、数字以上にここで気をつけなければならないのが「分野別基準点」です。

国語分野・社会分野・算数分野・理科分野・英語分野それぞれに分野別基準点が設定されており（具体的な点数は非公表）、『基準点以上を取得した者のうち高得点の者から、第一次選考合格者数に達するまで順次合格』（実施要項より）する仕組みになっています。つまり、苦手な分野を克服しておかないと、総合として高得点を取ったのに分野別基準点に達していないものがあって合格できない可能性があるということです。これは、小学校の先生は指導する科目数が多く、また、最新の学習指導要領で「各校種・教科間の連携」を打ち出している点では、妥当な基準だと言えますね。

しかし、小学校学習指導要領は337ページ・学習指導要領解説は3029ページ（表紙・目次含む）あります。さらに全体の9割以上が知識を問う問題です。全ての問題に対処するには膨大な時間が必要になってしまうのです。それでいて、教養試験もある（東京都の教養試験は難易度が高いです）となると余計に手が回らなくなってしまうことは事実です。

つまり小学校全科の受験をされる方に要求されるのは、「バランスの取れた効率の良い採用試験対策」だということが言えますネ！

範囲が膨大だということにとらわれず、日々の学習を確実に、前向きに進めていくことが必要です。小学生の元気なパワーに負けないように皆さんも対策を進めてください！

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