東京都教員採用試験　受験倍率について③（中高社会編）

こんにちは。東京アカデミー東京校の教員採用試験対策担当です。

最近は感染症が再流行、新規感染者や重症者数拡大が気になりますね。受験生の皆さんは手洗い・うがいしっかりとして予防を行ってください。

ある調査によると、人間は無意識で1時間のうちに約3回顔を触るそうです。

ウイルスの付いた手で顔を触ることで感染することが多いようですからマスクを着用して口・鼻をからのウイルス侵入を防ぎましょう。

これから寒くなりますが、受験勉強も頑張っていきましょう。

さて、本日は東京都教員採用試験の分析、第三回目です。中高社会について確認していきましょう。

社会は中学社会、高校日本史などの区分で募集されますが、東京都では中高社会（地歴）と中高社会（公民）という教科分けのもとで採用試験が実施されます。

それぞれの実施状況を確認してみます。

《地歴》

	応募者	受験者数	最終合格者数	倍率
2018年	933	725	99	7.3
2019年	844	703	119	5.9
2020年	780	624	117	5.3

《公民》

	応募者	受験者数	最終合格者数	倍率
2018年	351	258	41	6.3
2019年	349	280	45	6.2
2020年	315	241	39	6.2

地歴では、過去3年の倍率は少しずつ下がってきています。受験者数は減ってきていますが、最終合格者数はそれに合わせて減少せずに確保されているため、競争率は逓減しています。

一方公民では、過去3年で競争倍率は一定を保っています。地歴とは異なり、受験者数と最終合格者数の増減が連動しているように見受けられるため、倍率は安定しています。

近年の最終倍率からは、地歴は合格しやすくなってきている、公民は変化がないためやさしくなっているという傾向は認められない、ということになります。

しかし、不合格となってしまった受験生の数は、2018年→2019年→2020年の順に以下のとおりです（受験者数-最終合格者数）。

《地歴》626→584→507

《公民》217→235→202

一般的な倍率表は合格者数のみが表記されますが、合格者の4～5倍の受験生が不合格になっている事実は冷静に受け止めておくべきでしょう。

次に一次試験倍率と二次試験倍率を確認してみます。

《地歴》

	受験者数	1次合格者数	１次倍率	最終合格者数	２次倍率
2018年	725	193	3.8	99	1.9
2019年	703	238	3.0	119	2.0
2020年	624	209	3.0	117	1.8

《公民》

	受験者数	1次合格者数	１次倍率	最終合格者数	２次倍率
2018年	258	86	3.0	41	2.1
2019年	280	96	2.9	45	2.1
2020年	241	106	2.3	39	2.7

地歴については、2018年の1次試験倍率が3.8倍と2019年・2020年と比べ、やや高いものの、２次試験倍率は３年間でほとんど変化なく約2倍、1次試験倍率は直近2年は続けて3倍となっています。

また、地歴・公民に共通していますが、過去3年間で1次試験合格者の半分程度は２次試験で不合格になっています。

「競争倍率2倍」をどのようにとらえるのかは個人によって異なるかもしれませんが、半年～1年という短くない時間（場合によってはもっと長い時間）を試験対策に費やして1次試験を合格した猛者たちの中で、さらに上位半分に入るのはなかなかに難しいように思います。

ちなみに東京都では合格最低点や平均得点などが公表されていないため、各試験で一体何点取れるようにしておけばよいのか、不安を覚える受験生の方もいらっしゃるかもしれません。

弊社講座受講生で中高社会の合格者の方にお聞きすると、教養も専門も8割程度得点されている方が多いので、一つの目安になるかと思います。

近年の東京都教員採用試験の競争倍率は全体的に低下の傾向にあります。

なんとなく、容易に合格できる試験になってきているという印象があるかもしれません。

しかし、教員採用試験は1次試験、2次試験と各試験で競争があり、決して楽な試験ではありません。教養試験・専門試験・論文試験と2次面接試験でそれぞれ高く評価されるように計画的に対策を進めていくことが必要となります。

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