東京アカデミー広島校
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今回は、12/18のブログでテーマとした、『デジタル教科書導入』とセットで押さえておきたい『著作権法』について、重要ポイントをまとめていきます。
今も昔も教育現場では、他者の著作物を活用しながら授業や教育を行っています。そして、デジタル教科書導入によって、これまで以上に著作物の利用ニーズは多様化していきます。2019年4月より適用されている『著作権法』は、教育の質を向上させ、個々の能力や特性に応じた学びを実現することを視野に入れて改正されています。
この改正内容を把握することで、教師が学校において、著作権者に無断でしてもよいこと、できないことの適切な判断を行うことができます。筆記試験に出題されやすい「第35条第1項」をもとに主な要件をまとめると、
①対象施設…学校その他の教育機関(営利を目的としないもの)
②対象主体…教育を担任する者(教員等)+授業を受ける者(学生・児童・生徒等)
③利用の目的・限度…「授業の過程」における利用に必要と認められる限度
⇒例えば、保護者に対して雑誌の内容を無断でメールすることはできない。
④対象行為…複製、公衆送信(全般)、公衆送信を受信して公に伝達
⑤権利者利益への影響…その著作物の種類や用途、複製の部数などから判断して、著作権者の利益を不当に害しないこと⇒例えば、教育機関や学習者が購入することを想定して制作・販売されている著作物をコピー・送信することはできない。
というようになります。
広島県・広島市採用試験では、平成24年度試験に〈著作権法第35条〉が出題されたきり、その後の出題はありませんが、教育科目関連(教職教養)の試験形態が記述式からマークシート式に変更予定であり、問題数が増える分、法規の出題範囲も広がる可能性があります。
デジタル教科書導入により、多くの情報に触れ、課題解決に向けて主体的に探究活動ができるとしても、「罰せられる」となれば、意欲も低下し、萎縮してしまいます。ICTなどを活用し、子どもたちの好奇心を十分に引き出し、学習意欲を高めるためにも、著作権法についてしっかりとまとめておきましょう。
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