東京アカデミー東京校
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こんにちは!東京アカデミー津田沼校・教員採用試験対策担当の松尾です。
皆様のご自宅の大掃除は進んでいますか?私はまったく進んでおりません(笑)
せわしない一年ではありましたが、大掃除をすることで一年を整理するよい機会にもつながるのではないかと思います。
さて本日は先日一部ニュースでも話題になりました、IEA国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)2019の結果と今後の課題について簡単ではございますがご紹介したいと思います。
「IEA国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」とは?(国立教育政策研究所HPより)
TIMSSは、国際教育到達度評価学会(IEA)が、児童生徒の算数・数学、理科の教育到達度を国際的な尺度によって測定し、児童生徒の教育上の諸要因との関係を明らかにするため、1995年から4年ごとに実施。
TIMSS2019調査結果の特徴(国立教育政策研究所HPより)
〇教科の平均得点については、小学校・中学校いずれも、算数・数学、理科ともに、引き続き高い水準を維持している
〇質問紙調査については、小学校・中学校いずれも、算数・数学、理科ともに、算数・数学、理科の「勉強は楽しい」と答えた児童生徒の割合は増加している。小学校理科について「勉強は楽しい」と答えた児童の割合は、引き続き国際平均を上回っているが、小学校算数、中学校数学及び中学校理科について「勉強は楽しい」と答えた児童生徒の割合は、国際平均を下回っている。
以上の結果となりました。算数・数学/理科の成績においては引き続き日本の児童・生徒の力は世界においても引けを取らない程優位に立っているのは明白であるのはこの調査かも見て取れます。一方、質問紙調査の結果を見ると、「勉強は楽しい」と答えている児童・生徒は増えている傾向にあるものの、例えば調査結果の概要を詳しく見ますと、中学校において、「数学を勉強すると、日常生活に役立つ」「数学を使うことが含まれる職業につきたい」と答えた生徒の割合は、国際平均より下回っている。という結果も出ています。
こうしたことから、国立教育政策研究所HPに掲載されている調査結果には今後の課題として、「主体的・対話的で深い学び」に基づく授業改善を通じて、児童・生徒に学習する意義を身に付けさせるといったことや「理数教育の充実」という視点で、算数・数学や理科が実社会で生かされていることを学んでもらうという点に着目して今後の教育活動を進めていくことが求められているとしています。
特に「理数教育の充実」は第8次学習指導要領(高等学校)改訂において、「教育内容の主な改善事項」の中でも、「理数を学ぶことの有用性の実感や理数への関心を高める観点から、日常生活や社会との関連を重視すること」といった点も示されている通り、理数教育の充実がいかに重要か読み取れるかと思います。
なお、今回の詳細な調査結果などは下記、国立教育政策研究所からの資料も併せてご覧ください。
国立教育政策研究所『国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2019)のポイント』
教員を目指す皆様、特に今回の調査結果は小学校・中高の数学や理科の教員を目指す皆様にとりましては重要な調査結果です。結果や課題の把握はもちろんのこと、今後自身が教員として実際の現場に立った時を想定して今回のTIMSSで指摘されている課題をどう克服するか、どう受け止めて生かしていくかといった視点も身に付けておくとよいでしょう。
なお、今回取り上げましたTIMSSの結果や同じく国際的な学力調査であるOECD(経済協力開発機構)が行っているPISA(生徒の学習到達度調査)と同様に、教育時事として教員採用試験にて過去幾度となく出題されています。
ちなみに、このTIMSSについては、千葉県・千葉市の2019年夏試験・教養試験にて1問出題がされておりました。今回調査の1つ前(TIMSS2015)のポイントからの出題でしたが、こうした資料からも、ふと問題として使用されるかもしれませんので、しっかりと今回の調査結果を確認しておきましょう。
第1回全国公開模試 2021年1月17日(日)実施
↓詳しくはこちら
https://www.tokyo-ac.jp/adoption/practice-exam/practice-exam01/