東京アカデミー池袋校
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こんにちは!東京アカデミー津田沼校・教員採用試験対策担当の松尾です。
連日新型コロナウイルスに関するニュースを目にして、暗い気持ちややるせない気持ちになりますが、コロナが収束した後に楽しみが色々と待っていると思って、なるべく明るい気持ちで毎日過ごすように心がけています。
さて本日は皆様に、千葉県・千葉市教員採用試験の専門科目の中から、「中高社会」の傾向と対策についてご紹介したいと思います。
〇千葉県・千葉市 専門科目・中高社会の設問内容
2020年夏実施の専門科目・中高社会においては、次の設問内容で構成されておりました。
①学習指導要領・指導法に関する設問
②専門科目各分野に関する設問
次に、それぞれの設問に対しての傾向と対策を見てみましょう。
①学習指導要領に関する問題
学習指導要領についてはどの自治体でも出題される、超典型的な問題です。千葉県・千葉市においては2020年夏受験では4問出題されました。
範囲も中高共通採用という位置づけであるため、中学校・高等学校の両校種の社会(地歴・公民)から満遍なく出題されています。
中学校が第1志望の方は、高等学校の学習指導要領を中心に、逆に高等学校が第1志望の方は中学校の学習指導要領を中心に学習を進める必要性があります。
では、2020年夏受験の問題において特徴的であった問題をご紹介しておきましょう。
2020年 千葉県・千葉市 専門科目試験(中高社会)問題
問4 次の①~④の文は、公民の「第2款 各科目」において、「1 目 標」で育成することを目指している資質・能力の一部である。「公共」に関するものを①~④のうちから一つ選びなさい。
① よりよい社会の実現のために現実社会の諸課題を主体的に解決しようとする態度を養うとともに、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される、国民主権を担う公民として、自国を愛し、その平和と繁栄を図ることや、我が国及び国際社会において国家及び社会の形成に、より積極的な役割を果たそうとする自覚などを深める。
② 国家及び社会の形成者として必要な選択・判断の基準となる考え方や政治・経済に関する概念や理論などを活用して、現実社会に見られる複雑な課題を把握し、説明するとともに、身に付けた判断基準を根拠に構想する力や、構想したことの妥当性や効果、実現可能性などを指標にして議論し公正に判断して、合意形成や社会参画に向かう力を養う。
③ よりよい社会の実現を視野に、現代の諸課題を主体的に解決しようとする態度を養うとともに、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される、現代社会に生きる人間としての在り方生き方についての自覚や、公共的な空間に生き国民主権を担う公民として、自国を愛し、その平和と繁栄を図ることや、各国が相互に主権を尊重し、各国民が協力し合うことの大切さについての自覚などを深める。
④ 自立した人間として他者と共によりよく生きる自己の生き方についてより深く思索する力や、現代の倫理的諸課題を解決するために倫理に関する概念や理論などを活用して、論理的に施行し、思索を深め、説明したり対話したりする力を養う。
正答 ③
皆様はこの問題、お分かりになりましたでしょうか。高等学校の公民分野からの引用です。今回の設問では「目標」のうち「公共」に関する内容からの出題でした。「公共」という科目は今回の第8次学習指導要領改訂にて新たに設置された高等学校・公民分野独自の科目であり、必履修科目の1つにあたります。
つまり、中高社会科を目指す皆様は当然ながら知っていないとならない領域です。特に目標の部分は、筆記対策のみならず、人物試験の対策にも有用です。その点も意識して学習を進めていくとなお良いでしょう。
ちなみに、津田沼校では3月下旬より開講の「春期短期講習」の中で、「千葉県・千葉市 中高社会・学習指導要領のポイント」と題しまして、出題範囲が広く対策が取りづらい、中高社会の学習指導要領に特化して頻出ポイントを解説する講座を予定しております。
②専門科目各分野に関する設問
専門科目各分野については、地理・歴史(日本史・世界史)及び政治・経済/倫理の各分野から満遍なく出題されています。問題数(小問ベース)としては、地理=6問、歴史=12問(日本史・世界史各6問)、政治・経済=6問、倫理=6問といった形でこの問題数からもお分かりの通り、各分野から満遍なく出題されていることが歴然としています。
すなわち、中高社会にて受験する方は、地理・歴史/公民分野すべてにおいて苦手分野がないように学習に取り組まないと、点数には結びつかないということの裏返しとも言えます。
さてその中から、特に気になった問題を1問ご紹介しましょう。
2020年 千葉県・千葉市 専門科目試験(中高社会)問題
問5(1)
次の①~④の文章は、地理の授業で生徒に地域調査をされる際の手順について示したものである。これを適切な順序に並べ替えたときに、最初から3番目にくるものを①~④のうちから一つ選びなさい。
①文献や自治体のホームページ等を用いた予備調査を行う。現地調査の計画を作成し、自治体担当者等への協力依頼をする。
②調査報告書を作成する。発表にあたっては、調査の際お世話になった方々をお招きし、アドバイスをいただくのもよい。
③現地に出向き、見学や観察、資料収集などを行う。必要に応じて、関係者への聞き取りやアンケート等を実施する。
④環境や防災等の地域課題から、各自の関心に応じたテーマを設定する。現地調査の実施にあたり、適切な対象地域を選ぶ。
正答 ③
この問題は地理・歴史分野の問題の一部です。ほとんどの問題は知識に関する正誤問題という位置づけになるのですが、この問題は「地域調査」について問う問題となっております。例年千葉県・千葉市の中高社会の地理的分野の問題ではこうした地域調査に関する問題が1問出題されています。
このように中高社会の過去問を少しでも知っておくことで、解くことができる問題もあります。学習指導要領の内容や地理歴史・公民の各分野に渡る学習はもちろんですが、中高社会を受験される皆様は社会時事にもアンテナを張っておくと面接対策や最終的には教壇に立った時に生徒に指導していく際のネタとして使えるかもしれません。そういった点も意識して試験対策を行っていくことも肝要です。
今回は千葉県・千葉市の専門科目「中高社会」に絞って試験傾向をほんの一部だけ、簡単にご紹介いたしましたが、専門科目対策ではほかにも勉強すべきことがまだまだ沢山あります。
東京アカデミー津田沼校では、2月から順次、専門科目対策に関する講座を開講予定ですが、「中高社会(地歴分野)」(2月6日~開講)「中高社会(公民分野)」(3月27日開講)といった、筆記試験対策を開講予定です。地歴・公民両方ともの知識が問われるのは当然ですが、「地歴が得意だけど公民が少々苦手」といった方や逆に「公民は得意だけど地歴が苦手…」といった方の為に、地歴分野のみや公民分野のみ、あるいは両方とも受講ということも可能です。
試験対策は日々の学習の積み重ねですので、皆様も受験する自治体の専門科目の傾向を早めに察知し、学習を進めましょう。
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