東京アカデミー東京校
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こんにちは。公務員試験対策の予備校、東京アカデミー東京校の公務員担当です。
イギリスはいよいよEUから離脱することになるのでしょうか。
イギリスが国民投票でEUからの離脱を決めたのは2016年6月のことです。
それから3年少しの間、イギリス国内でEU残留派とEU離脱派の隔たりが大きいまま現在に至っています。
※詳細な経緯は下記のNHK NEWS WEB をご参照下さい(リンクフリーです)。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/brexit/
イギリスはEUのルールに縛られず、自分たちで国を運営したい。
自国民の生活、雇用を守り、国内の産業も守りたい、と思う一方で、
イギリスはEUの中で景気が良く、イギリスに来ると高度な行政サービスを受けられるので、EU諸国からの移民が増加します。
そうするとイギリス自国民の生活や雇用が守れなくなります。
ただしここでイギリスはEUから抜けると、
(特に「合意なき離脱」の場合)EU諸外国との輸出入に関税がかかり大きな経済的ダメージを被ります。
日本には関係ないと思われる方も居られるでしょうが、
イギリスには自動車産業を中心に約1000社の日本企業が進出し、
イギリスで生産したものを関税なしでEU内ののヨーロッパ人約4億人に販売しています。
それが突然関税がかかることになりますと、日本にも大打撃をもたらします。
さらには北アイルランドとアイルランドの国境問題があり、
北アイルランドはイギリス、アイルランドはEUに所属しますが、
北アイルランド紛争により、和平の条件として北アイルランドとアイルランドは国境自由になっているのです。
そこでイギリスがEU脱退となれば、北アイルランドとアイルランド間の国境問題をどうするのかといった問題も出てきます。
じゃあジョンソン首相がEUと合意した内容でとりあえず離脱すればいいじゃないか、と思われますが、
一足飛びにそういうわけにはいきません。
イギリスの政治は日本と同じ議員内閣制を採っていますので、
行政府(日本でいう内閣)の長である首相(日本でいう内閣総理大臣)が自らの意のままに政治運営が出来ず、
立法府である議会(日本でいう国会)の信任が必要なのです。
これがもし大統領制を敷くアメリカや韓国であれば、行政府の長である大統領が、自らの意のままに政治運営が出来るため、
いちいち立法府の信任は要らないのです。
なのでトランプ大統領は、独断で中国や欧州に高額な関税を発動できることが出来たり、
メキシコとの国境に壁を作るように指示したりすることが出来るのです。
公務員試験の「政治学」の科目では、
各国の政治制度や選挙制度、各国の政党、政治権力、政治思想などについて学びます。
範囲は一見広そうに見えますが、公務員試験で出題される分野は限られています。
各国の政治制度や選挙制度は何パターンもあるわけではありません。
聞いたことのない学者さんの唱えた学説も、丸暗記しないといけないように見えますが、
実は現在の各国の政治制度や選挙制度の大元になっているものが多く、
現在の各国の政治制度や選挙制度と関連付けながら学習すれば、さほど学習量は多くなりません、
また政治学は一般的に「専門科目」に位置づけられますので、
教養科目のみ課される試験では学習対象外の科目であると思われがちです。
しかし政治学は、「時事」として筆記試験に出題される場合や、
時事と絡めて面接や論作文で出題される場合も多々あります。
2020年春試験では、
米中貿易摩擦や韓国のチョ・グク法相辞任、衆議院選挙の小選挙区制の問題点
などといった出題可能性の高い時事問題が、政治学と絡めて出題される可能性はあると思われます。
政治学の学習は時事対策としても、面接、論作文対策としても有効です。
専門科目の学習をしない方も、是非政治学の学習をオススメします。