東京アカデミー町田教室
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1月24日(日)に実施された都立看護専門学校・一般入試の解答速報はすでに公表しました。
問題は昨年と同様、それほど難しいものではありませんでしたが、新しい傾向も見て取れます。教科ごとに簡単にコメントしておきましょう。
<国語総合>
・大問1:論説文(浜野保樹『模倣される日本』より)
・大問2:小説(北川樹『ホームドアから離れてください』より)
・大問3:論説文(黒栁正典『人の暮らしを変えた植物の化学戦略』より)
大問3題という組み合わせは例年通りです。2018年度までは3題とも論説系の文章という組合せが長く続いていましたが、2019年度問題から十数年ぶりに大問2で小説が復活。ここ3年間は論説文2題+小説1題の組合せになっています。
読解系の設問は傍線部理解、空欄補充、接続詞や副詞の選択など、これまでの過去問で出されてきたいつもの形式がほとんど。なお、昨年に引き続き今回も「文の挿入位置」を選ばせる問題([問18])が出題されました。これは従来ほとんど見かけなかった設問形式で、いちおう新傾向と言えます。
また、知識系の設問については漢字が例年通り2問。近年はことばの意味やニュアンスを問うタイプの設問がよく出されていますが、今回もしっかり2問出題されました([問6][問9])。
<コミュニケーション英語Ⅰ>
2018年度入試の問題が非常に難しかったのですが、その反省からなのか翌2019年度以降は比較的解きやすい出題が続いています。
・大問1:例年通りの会話問題(5問)です。ただし、以前は5通りの「発言」から正しいものを選ぶ形式だったのですが、昨年2020年度問題からは会話の一部に入るごく短いフレーズを選ぶ形式に変わりました。会話というよりは、単に「イディオム・語法」の知識を問うものという色彩が強まっています。
・大問2:日本のバレンタインデーに関する記事。
・大問3:対話文(文化祭をめぐるALTと生徒の対話)。2018年度、2020年度に続き2021年度入試でも対話文が出されました。大問3=「対話文」というかたちが定着してきているようですね。
・大問4:首都圏の人々の「地方に住むこと」への関心についての調査結果をめぐる文章。問題文にグラフが掲載されています。都立看護専門学校ではこうしたタイプの問題が出された例はほとんどなく、明らかに新傾向の問題と言ってよいでしょう。「グラフや表」から読み取る形式にもともと慣れていた人に有利だったと考えられます。
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長文中の設問形式は「空欄補充」「下線部と同じ意味になる表現」などの他、近年は「並べ替え」が毎年2問ずつ出されるのが通例です。「内容一致」系の設問も存在しますが、最近は空欄や下線部の直前直後だけに着目すれば答を選べるようなタイプの設問のウェイトが高くなっています。
<数学Ⅰ>
「方程式と不等式」「2次関数」「図形と計量」([問1]~[問16])についてはおおむね例年通りの出題内訳(5問+5問+6問)。問題そのものはとくに難しくありませんが、これまでの出題パターンから少しはずれたものもいくつか混ざっており、とまどいを感じた人もいるかもしれませんね。
新旧課程の切り替えにより2015年度入試から出題されるようになった分野については、「命題・集合」2問([問17・18])、「データの分析」2問([問19・20])という配列がすでに定着しています。
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2次(面接)までにあまり時間的余裕がないので、ある程度手ごたえがあった方は、早めに面接に向けた最終準備に取りかかりましょう。引き続き、面接で聞かれそうな項目についても挙げておきます。
都立看護専門学校・一般入試の2次試験はごく標準的な個別面接の形式です。時間的には15~20分くらい。
以下、これまでの受験者の報告から、ありがちな質問項目の例を挙げておきますね。どんなふうに答えるつもりなのか、ぜひチェックしてみてください。
<導入的な質問>
・筆記試験(1次試験)の出来はどうだったか?
・昨日はよく眠れたか? いま緊張しているか?
・待ち時間に何を考えていたか?
・ここまでどうやって(どういう経路で)来たか? 家からどれくらい時間がかかったか?
<職種志望理由>
・看護師になりたい理由 看護師を目指したきっかけ
(社会人や大学生はなぜ「いま」目指すのかもしっかり説明!)
<その他、看護師の仕事関連>
・看護はどういう仕事だと思う?
・どんな看護師を目指すのか?
・自分が看護師に向いているところは?
・(病院や施設での)看護体験に参加したことがあるか?
<学校志望理由>
・本校を選んだ理由(都立7校の中でもなぜその学校なのか?)
<その他、学校志望理由関連>
・学校説明会などには参加した?
・他の学校を併願しているか?
・四年制の大学は受験しないのか? (高校生の場合)
<将来について>
・卒業後の進路を考えているか?
・どんな診療科で働きたい?
・東京でずっと働くつもりなのか? (地方出身者)
<これまでの経験/自己PR>
・これまでの仕事内容 これまでの仕事で学んだこと (社会人)
・学校生活、部活(サークル)、行事、習い事などを通じて学んだこと (高校生/大学生)
<受験勉強について>
・どんなふうに受験勉強をしてきたか?
・苦手科目は? その克服方法は?
・予備校には通っていたか?
<対人関係について>
・友人からどんな人だと言われるか?
・若い人たちとうまくやっていけるか? (とくに30~40代の受験者)
・気が合わない人、苦手な人とどう接するか?
<その他、生活に関わる質問>
・(あなたの進学について)家族はどう言っているか?
・(学校生活はとてもきついが)体力面/健康面は大丈夫か?
・学費や生活費は大丈夫か?
<その他>
・長所と短所
・ストレス解消法
あと、願書や書類の記載内容からチェックされそうな項目もいくつか挙げておきます。
自分は質問されちゃいそうだな……という人は、どう答えるのかをよく考えておいてくださいね。
この手の質問にあやふやな答え方をすると致命的なので……。
◆高校時代の欠席日数がけっこう多いのはなぜ?
◆学歴、職歴に長い空白期間があるけど、いったい何をやっていたの?
◆なぜ退学/転入学/留年をしてしまったの?
◆民間の就活はしていないの? (大学生)
◆大学(等)での専攻を活かした仕事を目指さなかったのはなぜ? (大学での専攻分野と最初に就職した業種にギャップがある人)
◆海外での留学経験や語学力を活かした仕事をしようと考えなかったの? (海外留学経験者)
◆勤めていた仕事をやめて別会社/別業種に転職したのはなぜ? (転職経験者)
皆さんがこれまでの努力・練習の成果を存分に発揮できるよう、東京アカデミースタッフ一同応援しております!