東京アカデミー東京校
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こんにちは。公務員試験の予備校=東京アカデミー公務員担当です。
本日、東日本大震災から10年が経過しました。被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
毎週木曜日は、公務員試験(大卒程度)に関する有益な情報をお届けしています。今回は、「民法の出題傾向と勉強法」についてご紹介いたします。
民法は大別して以下の6つの分野から成り立っています。
・総則(民法全体に共通する事項)
・物権(ものに認められる権利)
・担保物権(債権回収時のものについて)
・債権総論(人に認められる権利)
・債権各論(契約に関する事項)
・家族法(家族間に関する事項)
各試験にて配点が平均しているため「捨て分野」をつくることはお勧めできません。
昨年は「総則」に関する問題が多く出題されていました。
本年及び来年は、民法改正を受けて「債権総論」の出題が多くなることが予想されます。
民法は1000条以上に及ぶため全部を記憶するのは難しく、公務員試験ではそこまで求められてはいません。記憶するのは主要な条文に留めましょう。
「憲法」「行政法」は国対応が中心のため、中には一般常識では理解できないような条文もあります。一方で民法は、日常の考え方の一歩先の考え方を理解することで「民法の考え方」を修得することができます。修得できれば、たとえ学習していない内容が出てきても「推測」して回答できるようになります。
リーガルマインドの例
未成年のAさんが祖母よりもらった5万円で、原付免許を取得し、更にアルバイトをして原付バイクをBさん(バイク販売店)より購入した。購入後にこの事実を初めて知ったAさんの保護者CさんはAさんの原付購入を認めない判断をした。
⇒購入したAさんに落ち度があるように見えるが、民法では、CさんはBさんに対して未成年に保護者の確認無しでバイクを販売したことを問題とすることができる。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、民法では、まず「森を見る」ことから始めましょう。「リーガルマインド」を養うために、ひとつひとつの条文に固執する前に最後まで問題を解いてみましょう。
次に、民法は対立する者の間で「より落ち度があるのはどちらか」を探る問題です。2周目は対立する者を「図式化」できるように問題を解いてみましょう。
最後に、1問を約5分程度で解く本番では図式化している時間はありません。3周目は図式化しないで、短時間で解けるようにしましょう。
「民法」「憲法」「行政法」は専門の法律系科目の中心です。共通して重要なことは専門用語に慣れる(理解する)ことです。その上で、条文の多い「民法」は時間を要するため早い段階から準備が必要となります。基になる考え方(「リーガルマインド」)を早い段階で修得して、多くの問題にあたることで、得点獲得を目指してください。