東京アカデミー札幌校
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こんにちは。札幌校の手島です。
東日本大震災に被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
改正民法による出題の最初の年となった2020年。
実際の公務員試験ではどのように出題されたのでしょうか?
いくつか例を見ていきましょう。
1.「意思表示の瑕疵」に関する出題
従来から頻出分野だった、民法総則の中の「意思表示の瑕疵」に
関する改正の内容が聞かれている問題が散見されました。
ざっと見ただけでも、国家一般職と地方上級(札幌市)で1問ずつ出題されています。
錯誤(95条)に関して、従来の「無効」から「取消し」に扱いが変わったことや
第三者保のための規定(95条4項)が新設されたことが問われていました。
今年に関しても、「意思表示の瑕疵」については網羅的に学習しておいて損はないでしょう。
93条から96条まで4種類あるわけですが、「善意」であれば足りるのか、「無過失」まで
要求されるのか等、細かい違いがあるので忘れずに押さえておきたいところです。
2.「定型約款」についての出題
「定型約款」に関しては、今回の改正で新設された内容になります。
出題は国家総合職の法律区分でなされました。この区分は司法試験(法科大学院や予備試験)
との併願者も一定程度いる区分だけに細かい知識まで問うてくる傾向はありそうです(民法の出題が12問と
他の試験に比べて出題数が多いことも影響していると思います)。
今般の改正では、旧法下での判例法理を明文化したものも多く、完全な新設の概念は多くありませんが
注意しておきたいところです。
3.それなら今年は何がでるのか?
今年は改正民法での出題での2年目の試験になるわけですから、何が出やすいかはまだまだ的が絞りにくい
というのが率直な感想になります。
しかし、昨年あまり扱われなかった「契約不適合責任」や「連帯債務の絶対効」あたりは出題された場合は
差がつく出題となる懸念があります。
受験生があまり知らないという意味では、「根保証」についての部分を突かれると厄介かもしれません。
いずれにしても、安易にヤマ当てに流されずに、皆が知っている基本的な部分を繰り返し学習することが
大事という点は最後に申し添えておきたいと思います。