東京アカデミー東京校
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こんにちは。公務員試験対策の予備校、東京アカデミー東京校の公務員担当です。
実質負担額2,000円で全国の特産品が手に入る!
こんな記事を見たことはないでしょうか。
これは、「ふるさと納税」です。
ふるさと納税とは、応援したいと思う自治体を選びそこに寄付をすると、
寄付した先から地域の特産品などのお礼の品が届き、さらに所得税・住民税が減額する制度のことです。
ふるさと納税は、寄付金額から2,000円を控除した金額が、所得税・住民税の支払額から減額されますので、
実質、負担額2,000円で全国の特産品が手に入る、ということになるのです。
(※注:実際には寄付者の所得により寄付金額の上限はあり、
また寄付者の家族構成等により所得税・住民税の減額金額が異なりますので、寄付されますならば計画的に行ってください。)。
ふるさと納税は2008年から開始されました。
開始当初は年間寄付総額約100億円でしたが、10年後の2018年度には年間寄付総額約4,000億になりました。
自治体からしますと、1円でも多くの寄付を獲得し地方財政の財源としたいところですので、
高額のお礼の品で、多額の寄付を集める自治体が勃発しました。
そこで総務省は2019年3月、お礼の品の金額を寄付金額の3割以下の地場産品に限定、
これに逸脱する自治体はふるさと納税制度の対象外とする改正地方税法を可決、成立させました。
この対象外となった自治体が大阪府泉佐野市です。
泉佐野市はお礼の品としてamazonギフト券を提供したり、お礼の品の金額が寄付金額の50%を超えたお礼をしておりました。
泉佐野市は対象外となったことを不服とし、2019年10月11日大阪高裁に提訴する方針を固めました。
泉佐野市が節操ないのか、総務省が法治国家として権限乱用しているのか、どちらなのでしょうか。
もともとふるさと納税は、
2000年に設立された「地方分権一括法」の施行と、
小泉純一郎内閣による「聖域なき構造改革」により地方分権と財政再建を進めた一環として制定された制度です。
地方分権一括法のポイントは、国と自治体は対等な関係であることを謳い、
それに伴い国から自治体への機関委任事務を廃止したこと、
そして自治体の意思により法定外目的税の導入や市町村合併を進めることを可能としたこと、などです。
公務員試験の「行政学」の科目では、
地方自治の歴史や行政組織の仕組み、運営方法、国内外の行政学理論や学説史などについて学びます。
範囲は一見広そうに見えますが、公務員試験で出題される分野は限られています。
特に聞いたことない学者さんやその学者さんの唱えた学説の暗記は政治学より少ないと言われ、
また行政の最近の動向や変化といった時事的な問題は、
地方自治の歴史や行政組織の変遷と絡めて学習するのが効率的、効果的です。
また行政学は行政組織の仕組みや運営方法の理論を学びますので、
晴れて公務員試験に合格し入庁した後に絶対に役に立つ学問です。
また行政学は一般的に「専門科目」に位置づけられますので、
教養科目のみ課される試験では学習対象外の科目であると思われがちです。
しかし行政学は「時事」として筆記試験に出題される場合や、
時事と絡めて面接や論作文で出題される場合も多々あります。
2020年春試験では、
上述のふるさと納税以外に、毎年何らかあります地方自治法の改正論点、
2019年9月11日に発足した第4次安倍内閣に属する特命担当大臣の任務、
などといった出題可能性の高い時事問題が、行政学と絡めて出題される可能性はあると思われます。
行政学の学習は時事対策としても、面接、論作文対策としても有効です。
専門科目の学習をしない方も、是非行政学の学習をオススメします。