東京アカデミー広島校
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今回は例年受講生の方の自己アピール用紙を拝見して感じることを、弊社見解ではなく拙者の私見ですが4つほど挙げさせていただきます。
①まず冒頭、書き始めについてですが、各テーマについて概要の説明から入る方が多いと思います。これから述べることに対して認識の誤りがないことを示す上でも自然な入り方ですが、この概要説明は長くなり過ぎないようにしたいところです。800字以内と言えば400字詰原稿用紙2枚分ですが、具体例を挙げながら書き始めてみると意外に足りなくなるものです。制限字数内に収めるべく、重複する表現を削ったり、伝えたいことの優先度をつけたりするなど、みなさん例年苦心されています。また当然ですが、具体的な内容を見れば施策に関する理解度は自ずと分かりますし、そもそも単に事実を述べる箇所で他の受験者と差をつけることはできません。
②教員になって実践したいことがらについて、あまりにも文部科学省や教育委員会が発出している答申、通知、資料で使われている表現そのままのフレーズを多用するだけに終始しているケースが見受けられます。もちろん施策に沿っていることは大前提ですが、度を越した用語の羅列では単に流行に迎合しているだけのように見えてしまい、深みが出てきません。テーマから逸脱しない範囲で、読み手にみなさんの普段の様子、素顔が想像しやすい具体的な事柄を盛り込みたいところです。
③全体を通しての視点についてです。4つのテーマは別のものにも見えますが、それぞれ深く関連していると言えます。第8次学習指導要領改訂(2017年3月、4月、2018年3月告示)、ではアクティブ・ラーニングと個に応じた指導の両立を目指しています。また地域との連携・協働はカリキュラムマネジメントの一つであり、第3期教育振興基本計画(2018年6月閣議決定)においても述べられています。また断続的に出されている新型コロナウイルス感染症関連の通知、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(2021年1月答申)、2019年12月に5ヵ年計画で打ち出され2020年度内に前倒しされたGIGAスクール構想といった一連の流れは、学習指導要領で目指す教育を、コロナ禍を乗り越え一気に加速させようとする動きそのものです。これらの背景を考えると、1つの線として繋がっていることが分かるのではないでしょうか。テーマを狭い範囲で限定的に捉えるのではなく、教員は主体的な学びを支援する伴走者であることを踏まえ、他のテーマも念頭に置きながら全体をまとめていくことが必要かと思います。
例えば情報機器の活用であれば、「学校現場ではICTを利用した授業が始まっています、私は端末をこのように活用して生徒の興味を引く授業をします・・」だけでは、厳しい言い方ですが出来て当たり前の内容で終わってしまいます。端末を使うこと自体が目的ではなく、情報機器の活用はあくまで手段です(従来に比べると画期的な手段ではあります)。児童生徒にどんな力を身につけてもらいたいか、その目的のために自分が何をどう使って児童生徒の力になることができるか、広い視野で書き進め、締め括ることもできるのではないでしょうか。
④最後は添削についてです。みなさんの中にも様々な方に添削してもらうという方がいらっしゃるかと思います。たくさんの方の目で見ていただくことは客観性を担保する上で大事なことですから、それ自体は良いことです。しかし完成間近になると、ごく些細な点に悩んだり、全く正反対のアドバイスを受けてしまったりするなどし、貴重な試験前の期間にいつまでも出願書類が終わらないといった光景が時折見られます。添削者の立場としては、良く書けていると思っても何か改善点をアドバイスしないと手を抜いた添削になると思ってしまい、ついつい注文をつけてしまいがちです。添削者として責任を持って発言はしますが、最後に迷ったときはみなさん自身が伝えたいことを大切にしてほしいと思います。私も本当に良いと思うものには、あれこれと変えようとせず具体的にどこがどのように良いのかを伝えることに主眼を置き、また結果的にアドバイスと異なる内容で完成したとしても、余程事実を誤っているとき以外は受験生自身の考え方を尊重するよう心掛けていきたいと思っています。
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