東京アカデミー立川教室
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こんにちは。公務員試験の予備校=東京アカデミー立川校の福島です。
5月2日に東京特別区Ⅰ類を受験された皆様、お疲れさまでした。
そして、解答速報会に多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。
特別区Ⅰ類の試験は論文の比重が大きいので、
他の試験の対策も行いつつ、
2次試験に向けての対策も少しずつ進めておきましょう。
4日後には、裁判所一般職員等の試験があります。
以前に、専門記述・憲法のテーマを載せた記事もありますので、
参考にしてくださいネ!
さて、昨日の記事にもありますとおり、民法からは改正債権法に関する出題がありました。
今日はそのうちの1問の解説を。問題は持ち帰り可能ですが、
No.12 民法に規定する意思表示に関するA~Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。
A 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないが、相手方が表意者の真意を知っていたときに限り、その意思表示は無効となり、当該無効は、善意の第三者に対抗することができない。
B 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなすが、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
C 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができるが、当該取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
D 意思表示は、表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは取り消すことができ、当該取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたか否かを問わず、することができる。
1 AB
2 AC
3 AD
4 BC
5 BD
正答 4(BCが正しい)
A 誤り。93条1項は「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。」とし、2項は、「前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」と規定している。心裡留保の規定であるが、心裡留保が無効となるのは、①相手方が悪意、または、②相手方が善意有過失のときなので、①に限り無効とする本肢は誤り。
B 正しい(98条3項)。
C 正しい(96条2項・3項)。
D 誤り。95条1項は、「意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。」とし、2号で「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」を挙げているので、前段は正しい。
95条2項は「前項第二号の規定による意思表示の取り消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。」としているので、表示の有無に関わらず取り消すことができるとしうるDは誤り。
ということで、予想通り条文問題でした。
受験生は公示に関する98条3項はなかなか目にする機会も少ないと思いますが、
ACDで取り上げられている条文は心裡留保・錯誤・詐欺と、
重要条文でしたが、
Aの善意有過失を失念されて肢2を正解にする受験生が多かったようです。
明日は、2021(令和3)年実施東京特別区Ⅰ類の、出題の仕方に疑問の残る憲法の問題を取り上げます。
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