東京アカデミー岡山校
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こんにちは、東京アカデミー岡山校の公務員担当です。
先月11日に実施された警視庁警察官Ⅰ類1回目試験の教養試験では、時事が3問出題され、うち1問は2021年2月に改正された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(いわゆる新型コロナウイルス対策特措法)に関する穴埋め問題でした。試験のわずか2ヶ月前のニュースが出題されるなど、直前の時事もしっかりと抑えておく必要があります。これから控える試験に向けて、今年の3月から4月の出来事を振り返っていきたいと思います。
3月11日「東日本大震災から10年」
関連死も含めた死者および行方不明者2万2,000人にのぼる東日本大震災から10年が経ちました。2020年3月には常磐線が全線開通するなど復興が進む一方で、新たな住居での孤立死が起きたり、東京電力福島第一原子力発電所の事故による各方面への影響がまだ続いたりと、問題は山積しています。
【ポイント】地震のメカニズム
プレートとプレートの間の一部に強く固着している部分(アスペリティー)に歪みが蓄積し、その歪みが一気に解放されるのがプレート境界地震です。東日本大震災をもたらした東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0、最大震度7)は、この歪みにより発生しました。
3月26日「2021年度予算成立」
一般会計総額106兆6,097億円と過去最大の2021年度予算は、同日午後の参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。新型コロナウイルス対策として柔軟に使うことのできる5兆円の予備費をあらかじめ計上し、感染拡大の防止に備えるほか、デジタル庁を9月に発足させる予算も盛り込み、各省庁の情報システムの一元管理も進めます。
【ポイント】衆議院の優越
衆参両議院は原則として同等の権能を有しますが、衆議院議員の任期が4年と短く、解散もあり選挙の頻度が高いため民意が反映されやすいことなどから、いくつかの場合に衆議院の優越的地位が認められています。2021年度予算は、衆参両議院で可決し成立しましたが、「衆参両議院で異なった議決をし、両院協議会でも一致しない場合」または「衆議院で可決した後、30日以内に参議院が議決しない場合」には、衆議院の議決が国会の議決となります。
3月30日「香港の選挙制度変更が決定」
中国指導部は香港の選挙に立候補する人を事前に調査し、政府に忠誠を尽くしていないと判断された場合、立候補を認めないとする新たな選挙制度を決定しました。体制に批判的な勢力が政治の表舞台に出られなくなり、香港の民主化は事実上絶たれた形となりました。
【ポイント】一国二制度
1842年の南京条約でイギリスに割譲されていた香港は1997年に中国に返還されました。中国は原則として共産党による一党支配体制ですが、香港は返還以前の自治権と資本主義経済を継続し、住民生活には一定の自由があるという「一国二制度」が採用されています。1997年の返還時には向こう50年間は一国二制度を維持する決まりとなっていましたが、近年では中国による愛国教育必修化、容疑者引き渡し条例改正など民主化が脅かされる状況となっており、2014年には「雨傘運動」と呼ばれる抗議活動が展開されました。
4月22日「気候変動サミットが開催される」
アメリカ政府が主催する「気候変動に関する首脳会議(サミット)」がオンラインで開催されました。会議に先立ち、主要各国は2030年度に向けた温暖化ガスの排出削減目標を打ち出し、日本は2013年比46パーセント減、アメリカは2005年比50~52パーセント減を表明しました。各国が目標を出し合う中、再生可能エネルギーの普及をどれだけ進められるかが課題となっています。
【ポイント】パリ協定
気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された2020年以降の新たな地球温暖化対策の国際的な枠組みです。産業革命前と比べて気温上昇をできるだけ1.5度以下に抑え、今世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指すものです。先進国のみならず途上国も含めた条約締結の197か国・地域すべてが温室効果ガスの削減などに取り組むことが特徴です。
4月25日「3度目の緊急事態宣言が始まる」
新型コロナウイルス感染拡大にともなう3度目の緊急事態宣言がこの日から5月11日までの予定で始まりました。過去2回の宣言では解除までに1ヶ月半から2ヶ月半を要した中、今回は2週間余りの短期間で解除できる水準まで感染を抑え込めるかが焦点になります。
【ポイント】過去の宣言との違い
第一に対象地域が異なります。1回目は全国に、2回目は首都圏を中心とした11都府県に発出されましたが、今回は東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に限定されています。第二に休業要請の対象です。1回目は飲食店・スポーツジム・ライブハウスなど幅広い業種に、2回目は休業要請を行わず、飲食店に対する午後8時までの営業時間短縮を求めました。今回は酒・カラオケを提供する店および建物の床面積が1,000平方メートル以上の百貨店などの施設に休業要請を行い、その他の飲食店には午後8時までの営業時間短縮を求めています。
上記のほか、3月13日に【クアッド(日本・米国・オーストラリア・インドの4か国の枠組み)共同声明発表】、4月21日に【民法・不動産登記法改正(所有者不明の土地の解消を目指す)】など、この2ヶ月だけでも日本・世界でさまざまな動きがありました。今年の夏以降も東京オリンピック・パラリンピックの開催、衆議院議員の任期満了など公務員試験に出題が予想されるトピックが目白押しです。こまめにニュースをチェックするだけではなく、その背景や起こりうる効果・課題、自らの意見もまとめておきましょう
それでは。