東京アカデミー立川教室
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どうも、東京アカデミー立川校チューターの梅末です。
今回は前回に引き続き論文試験対策、特にその「内容」に関して述べていきたいと思います。あるテーマに関していきなり論文を書けと言われても、最初は何から書いていいか分かりませんよね…(^_^;) ですので、全体の流れとしてこんな風に書いていけばだいたいOKだよというのを、今年東京特別区で出題されたテーマを例に紹介していきたいと思います。
一応断っておくと、私は論文がそれほど得意ではありません…。ですから、下手くそなりにこういうことに気をつけて書いていた、という点で皆さんの参考になれば幸いです。
今年の特別区で出題されたテーマの一つに「外国人の増加に伴って生じる地域課題とその解決策」というものがありました。今回はこのテーマを引き合いに、論文として書くべき内容に関して説明していきたいと思います。
第一に、前回の記事でも触れた導入部分についてです。そのテーマに関する一般論や事実関係、問題の背景について言及します。
「外国人の増加」というテーマであれば、まず思い浮かぶのが、「出入国管理法の改正とそれに伴う外国人労働者の増加」です。
現在、日本における外国人労働者の人数は約146万人おり、その数はこれからも増えていくことが予想されています。では、なぜ日本が外国人労働者に対する門戸を広げたのかというと、一般的には少子高齢化による人口減少、特に労働人口の減少という問題が背景にあります。
また、外国人関連でもう一つ思い浮かぶのは、「訪日外国人観光客の増加」です。2018年の訪日外国人数は3000万人を突破し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて今後更に増えていくと推測されています。こうしたインバウンド需要の増加は、人口減少によって国内需要がやせ細っていく日本にとって非常に重要です。政府は観光事業を「成長戦略の柱、地方創世の切り札」と位置付けており、これからも多くの外国人が日本を訪れてもらうための更なる工夫が行政に求められています。
上記の内容をコンパクトにまとめ、テーマに関する現状や背景に関してうまく状況説明ができれば、序論としてまず問題ないかと思われます。コツとしては、客観的かつ具体的な数字、例えば日本における外国人労働者が約146万人、訪日外国人数が3000万人突破などの数値がおさえられていると、「あ、その辺の知識はちゃんと把握しているな」という印象を採点側に与えることができます。序論に割く字数の目安としては、全体の4~5分の1といったとこでしょう。あまり書きすぎても、大事な本論の部分が尻切れトンボになってしまう恐れがあるので、ほどほどで留めておきましょう。
そして、次はいよいよ本論です。実際に外国人が増加によってどういった課題が生じるとされているかということに関して述べていきます。
ここで重要なのは、『課題をいくつかの次元に分けて考える』ことです。思いつく課題をただ列挙するのではなく、ある程度自分の中でカテゴライズした上で列挙できると、今後の展開がスムーズにできます。加えて、採点者側も論文の内容を整理しやすいので、メリットとしては大きいでしょう。特に私が意識していたのは、ミクロな視点とマクロな視点です。
ミクロな視点というのは、「自分が一地域住民として考えた時にどういった課題があるか」です。外国人問題で言えば、例えば騒音やゴミだしのルールを守らないといった近隣トラブルの多発や公共交通機関の混雑といった問題が挙げられます。
一方、マクロな視点というのは、「全体的に捉えた時にどういった課題があるか」です。例えば、最近だと外国人生徒の不就学の問題や災害時における避難指示を外国人にどう伝えるかという問題が話題になりました。また、外国人に観光を満喫してもらうための環境の整備も十分とは言い難いです。
このようにあらかじめ課題をいくつかの次元にわけておくと、自分で論文を書いていて迷子になりにくいし、読む側も内容が入ってきやすいです。また、この視点は論文だけでなく、公務員として行政上の課題を考える上でも役に立つと個人的には考えています。
私の場合は「ミクロとマクロ」でしたが、他にも「ソフト面とハード面」など、課題の整理に使える視点は他にもあるので、自分なりに使いやすいものを見つけてみてください!
そしてここまでくれば、あとは列挙した課題に対して行政の立場からどういったアプローチが取れるかを説明していけば、本論は十分に書けると思います。目安としては課題を3つ用意できれば、質・量ともにバランスのとれた論文を書くことができるでしょう。字数の目安としては全体の2分の1程度です。
そして、最後にまとめの部分です。これまでの論の展開を踏まえたうえで、自らが公務員になった際の抱負や目指すべき指針、どういったことに注力したいかといったことなどについてそれっぽくまとめましょう(笑) この部分は、さほど内容は重視されないと思います。それよりも、いかに体裁よく論を締められるかが重要です。どれだけ本論で良い内容が書けても、最後がグダグダになってしまったらもったいないです。ですので、まとめは深入りせずに、簡潔かつスマートに書いて論を終えましょう。
以上、長々と論文の「内容」に関して私が意識してきたことを述べてきました。少しでも皆さんにとって得るものがあれば幸いです。
次回はこれまで真面目な話が多かったので、ゆる~い話でも書こうかなと思います。
それでは、また!(^_^)/