東京アカデミー松山校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー松山校の教員採用試験対策担当の石井です。
周知の事実ですが、教員採用試験は年齢構成を非常に重視した試験です。20年前の試験であると、受験年齢制限は29歳までという自治体が多く見られましたが、現在ではほとんどの自治体が特別選考も含め、59歳まで受審可能としています。教員採用試験が幅広い年齢層からの受審を可能としているその背景として、次のような現場の事情が反映されています。
上記グラフは、文部科学省が3年ごとに実施している『学校教員統計調査(確定値)』の令和元年度調査の結果判明した、公立小学校における教員の年齢構成グラフです。特に注目したい点は、30代後半から50代にかけての年齢層が他の層と比較してかなり少ないということです。
学校では教員の同僚性が非常に重要であり、特に30代後半から50代にかけての層は、学校の中で「ミドルリーダー」として、学校現場を熟知し、豊かな実践知識を持ち、実質的に現場の職員を動かしていると言われます。その層の割合が他の階層と比較して低いと、教職の最も重要な要素である『スキル・ノウハウの継承』がスムーズに行われないという現象が起きます。日本型学校教育の良さは、学習指導と生徒指導の一体化だけでなく、こういった同僚性の高さがスキル・ノウハウの継承に繋がっていることも重要な要素です。
そこで文部科学省が、新たに立ち上げたプロジェクトとして注目したいのが、『「#教師のバトン」プロジェクト』(令和3年3月26日~)です。このプロジェクトの趣旨は、
「学校での働き方改革による職場環境の改善やICTの効果的な活用、新しい教育実践など、学校現場で進行中の様々な改革事例やエピソードについて、現場の教師や保護者等がTwitter等のSNSで投稿いただくことにより、全国の学校現場の取組や、日々の教育活動における教師の思いを社会に広く知っていただくとともに、教職を目指す学生・社会人の方々の準備に役立てていただく取組」〔原文ママ〕
となっています。この文章にあるように、教職を目指す学生・社会人の方々はぜひこの取組を最大限活用し、現場感のある意見作りに挑戦してほしいです。様々な資料の内容や定義などを知識とすることは大切なことです。ですが、そのことをそのまま伝えてしまうと、採用の優先順位は上がりません。自分の言葉に置き換え、現場感のある表現で面接官に伝えてこそ、最終合格に近づくことができます。
このような大事なことを読み取ることができる『「#教師のバトン」プロジェクト』を大いに活用してください。