東京アカデミー横浜校
ブログ
こんにちは
東京アカデミー横浜校の安西です。
昨日、①人体の構造と機能及び疾病の成り立ちの過去問を紹介しました。
今日は、②基礎栄養学です。
傾向と対策
第35 回も例年同様,出題基準に準じてむらなく基本的な事項が出題されていました。
出題内容は五大栄養素の消化・吸収・代謝で約8 割を占めています。
さらに,ビタミン・ミネラルの構造と機能について詳細な知識を問う問題が出題されるのが特徴です。
「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」の生化学分野と並行して,各栄養素の体内動態を確実に理解しましょう。
特に,三大栄養素の食後・食間期の各組織での代謝は頻出です。
また,「栄養学の歴史」「日内リズム」「摂食行動の調節」も定期的に出題されます。
2〜3 年周期で同じような選択肢が繰り返し出題されていますので,過去問をしっかり復習することが最も効率的で確実な学習方法です。
それでは本試験にチャレンジ!
NO.72 血糖の調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ 食後には、グルカゴンは、筋肉へのグルコースの取り込みを促進する。
⑵ 食後には、インスリンは、肝臓のグリコーゲン分解を促進する。
⑶ 食後には、単位重量当たりのグリコーゲン貯蔵量は、肝臓よりも筋肉で多い。
⑷ 空腹時には、トリグリセリドの分解で生じたグリセロールは、糖新生に利用される。
⑸ 急激な無酸素運動時のグルコース生成は、主にグルコース・アラニン回路による。
正答 ⑷
解答のポイント
⑴適当でない。食後に筋肉へのグルコースの取り込みを促進するのは,インスリンである。
なお,筋肉にはグルカゴンの受容体が存在しないため,グルカゴンは筋肉に作用しない。
⑵適当でない。食後にインスリンは,肝臓のグリコーゲン合成を促進する。
肝臓のグリコーゲン分解を促進するのは,グルカゴンやアドレナリンである。また,この反応は食間期にみられる。
⑶適当でない。単位重量当たりのグリコーゲン貯蔵量は,筋肉よりも肝臓で多い。
⑷適当。糖新生とは,糖以外の物質からグルコースを生成する過程をいい,グリセロールの他,糖原性アミノ酸,乳酸なども基質(材料)になる。
ただし,脂肪酸は糖新生の基質にはならない。
⑸適当でない。急激な無酸素運動時のグルコース生成は,主にコリ回路による。
無酸素運動により筋肉で発生した乳酸は,コリ回路を介して肝臓に運ばれ糖新生によりグルコースとなり,再び筋肉へ運ばれる。
明日は、③臨床栄養学の過去問を紹介します!