東京アカデミー札幌校
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こんにちは。東京アカデミー札幌校の手島です。
そろそろ3年生の皆さんの中でも、来年の公務員試験に向けて
動き出す人が増えてくる季節になりました。
春から勉強を開始している人にとっては、実際に勉強を始めてはみたものの
「本当に身になっているんだろうか・・・」と
不安になってくる時期でもあります。
そうした不安を払しょくするためにも、今日は実際の試験問題の選択肢の検討を
通して、勉強で身につけた「知識」の活かし方を確認していきたいと思います。
【2021年 国家一般職 憲法(No.12 選択肢4)】
「検閲とは、公権力が主体となって、思想内容等の表現物を対象として、その全部または
一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき、網羅的一般的に、
発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止するものであるから、
道知事選挙への立候補予定者を攻撃する目的の記事が掲載された雑誌の印刷、販売等の
事前差し止めを命じた裁判所の仮処分は、検閲にあたり、違憲である。」
この選択肢は「誤り」の選択肢です。間違っている部分は1行目の「公権力が主体となって」
の部分になります。※正解は「行政権が主体となって」です。
テキストや参考書では、「検閲」の定義として「行政権が主体となって・・・」と解説されており
いわゆるAランクの学習事項として公務員受験生が勉強することになる内容です。
実はこの「検閲」の定義は公務員試験では過去に何度も出題されている概念になります。
そのためテキスト掲載の判例でもこの部分は太字で強調されるレベルの重要度の高い事項であり、
確実に押さえておきたい知識です。
選択肢の話に話題を戻すと、長い選択肢ではありますが、正誤の判断をつけるためには
「公権力の主体」という1か所のみに注目していることがわかります。
つまり覚えた基本知識一つだけで、選択肢全体の判断が可能な場合も十分にあり得る
ということになります。※今回の場合なら、「検閲の主体は行政権!」と覚えていた人は
選択肢をダラダラ読まずとも、この肢を切ることができたわけです。
したがって、本番では①選択肢の文章をいくつかに区切って②部分ごとに覚えてきた「知識」と
相違ないかを確かめていけばいいということになります。
以上、簡単な例ではありますが、実際の「知識」をどう活かすかの具体例でした。
参考になれば幸いです。