東京アカデミー静岡校
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みなさん、こんにちは。東京アカデミー静岡校の伊藤です。
プレイバック第110回看護師国家試験のお時間です。今週は「正答率80%の問題」をご紹介します。前回が正答率90%の問題でしたので、少し難易度がアップした問題と言えるでしょうか。それでは、確認してみましょう。
午前問題 No.30
食中毒予防の原則である「中心温度75 ℃以上1 分以上の加熱」が有効なのはどれか。
1 .フグ毒
2 .毒キノコ
3 .黄色ブドウ球菌
4 .サルモネラ属菌
この問題は一般問題で、正答率が79.8%でした。残念ながら80%ピッタリの問題がありませんでした。最も近い問題でお許しください。さて、健康支援と社会保障制度の問題ですね。出題範囲が広く、的が絞りにくい科目です。例年10問前後が出題されますが、この科目の知識は他の科目にも関連して出題されますので、合格の鍵となる科目です。「短期間で暗記」する戦略をとる方もいると思いますが、早い時期からじっくりと学習することをおススメします。
この問題の正解は「4」です。食中毒予防の三原則をご存じでしょうか。食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。食中毒を引き起こす細菌やウイルスを「やっつける」ためには問題文にある通りの温度で加熱することが効果的なんですが、それでも退治できない細菌やウイルスが存在しますので、その見極めを問われた問題ですね。
正解は「4」ですが、不正解だった方々はどの選択肢を選んでいるのでしょうか。自己採点会の結果によると、この問題の選択肢ごとの選択率は以下の通りでした。
1 .4.0%
2 .0.4%
3 .15.5%
4 .79.8%
選択肢「3」と迷った方が多かったようですね。黄色ブドウ球菌は調理する人の手や指に傷があったり、傷口が化膿したりしている場合に、食品を汚染する確率が高くなります。汚染された食品の中で菌が増殖し、毒素がつくられると食中毒を引き起こします。黄色ブドウ球菌は、酸性やアルカリ性の環境でも増殖し、つくられた毒素は熱にも乾燥にも強いという性質がありますから、説明文にある温度と時間で加熱しても分解されません。この機会に覚えておきましょう。
この問題の選択率をみてちょっと心配になってしまったのが、選択肢「1」を選んだ方が4.0%もいるという事です。フグの毒は主に肝臓、卵巣、皮に含まれていて、当然加熱しても毒性成分は分解されません。死亡率が高く、日本で起こる食中毒死亡者の過半数を占めそうです。選択肢「2」と同様に、生きていく上で知っておかなければならない常識ですので、このような間違いだけは避けたいですね。国家試験ではこのように『常識的な問題』も散見されます。冷静に考えれば間違わないはずの問題も、緊張や焦りで間違えてしまう事もあるんですよね。普段から平常心を心掛けましょう!
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