東京アカデミー札幌校
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こんにちは。東京アカデミー札幌校担当高橋です。
管理栄養士国家試験"10日間連続企画"過去問チャレンジもいよいよ最終回【応用力試験】です。
科目の特性上ボリュームたっぷりとなることをご承知おき下さい。
【第35回本試験問題 問183.184】
次の文を読み「1」、「2」に答えよ。
K小児病院に勤務する管理栄養士である。先天性代謝異常等検査でフェニルケトン尿症を指摘された患児の母親に、栄養食事指導を行うことになった。
患児は、生後1か月、男児。出生体重2,700g、身長48㎝。身体・精神に明らかな所見を認めない。
1 治療用ミルクについて説明した後に、患児の母親から、「食事療法は一生続けることになりますか?とても心配です。」との質問があった。「一生続けることになります。私もお手伝いします。」の後に続く管理栄養士の助言である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
⑴ 続けるためにはお母さんの頑張りが何より重要ですよ。
⑵ 大変と思われるかもしれませんが、皆さん子どものためと頑張って続けられていますよ。
⑶ 病気について説明したパンフレットを差し上げましょう。後で、ご自分で読んで勉強してくださいね。
⑷ 同じ病気の子供をもつ家族会をご紹介しましょう。悩みを相談できますよ。
正答⑷ …正答率93.3%
2 治療用ミルクと並行して、離乳食を開始する時期となった。「舌でつぶせる固さ」の時期の離乳食献立として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
⑴ つぶし粥、豆腐ペースト
⑵ さつまいものマッシュ、卵黄ペースト
⑶ じゃがいものマッシュ、煮たりんご
⑷ 煮魚のほぐし、つぶしたバナナ
正答⑶…正答率11.9%
ワンポイント
栄養教育論、臨床栄養学、食べ物と健康、応用栄養学と他科目に渡る出題です。1と2の正答率の違いに注目です。2では選択し⑴⑵を選択した受験生が多かったようです。どの選択肢も「舌でつぶせる固さ」の調理形態ですが、フェニルケトン尿症の食事療法ではたんぱく質の量に着目することが重要となります。
最後なのでもう一問やってみましょう!
【第35回本試験問題 問174~176】
次の文を読み「1」、「2」、「3」に答えよ。
K病院に勤務する管理栄養士である。緊急入院した患者の栄養管理計画を作成している。
患者は、65歳、男性。独居、60歳で定年後無職である。普段は1日に市販弁当1個程度しか摂っておらず、1週間前からは体調不良もあり、食事はほとんど摂れていなかった。ベッドに横になっているところを、訪問した民生委員に発見された。半年前の体重は58㎏であった。
身長172㎝、体重50㎏、BMI16.9㎏/㎡、血圧96/58㎜Hg、心拍数94回/分。空腹時血液検査値は、赤血球数380×104/μL、ヘモグロビン9.2g/dL、ヘマトクリット38%、アルブミン3.3g/dL、血糖81㎎/dL、総コルステロール90㎎/dL、トリグリセリド45㎎/dL、尿素窒素24㎎/dL、クレアチニン0.45㎎/dL。明らかな浮腫、腹水、神経学的な異常は認められなかった。
1 この患者の栄養アセスメントの結果である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
⑴ 必要なエネルギー量は、確保できている。
⑵ たんぱく質摂取量は、不足している。
⑶ 腎機能は、低下している。
⑷ 脱水は、認められない。
正答⑵…正答率82.9%
2 入院時、患者は意識レベルが低く、静脈栄養によって栄養補給を行うことになった。投与開始時のエネルギー量である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
⑴ 2,000㎉/日
⑵ 1,500㎉/日
⑶ 1,000㎉/日
⑷ 500㎉/日
正答⑷…正答率76.2%
3 1か月後、体重は53㎏、ヘモグロビン10.2g/dL、アルブミン3.5g/dLまで回復し、1日3食摂る意思が確認できたので、退院することになった。退院後の食事に関して、患者と相談して決めた目標である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
⑴ 卵、大豆製品、魚、肉のおかずを食べる。
⑵ 野菜、きのこ、海藻、いものおかずを食べる。
⑶ 果物を食べる。
⑷ 水やお茶などの水分を控える。
正答⑴…正答率94.1%
いかがでしたか?本シリーズはこれにて終了です。
閲覧いただいた皆様お疲れ様でした!
次回(10/6掲載予定)は、過去問題の利用法など様々な角度から国家試験について語っていきます。
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※上記、第35回正答率は、弊社実施の「第35回管理栄養士国家試験本試験採点会」参加者3,487名の集計データによるものです。実際の国家試験の正答率ではございません。