東京アカデミー松山校
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「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」
どれも高齢者の人口割合が高くなっていることを表現する言葉ですね。
2021年の日本は、3つのうちのどれに当てはまるでしょうか。
WHO(世界保健機関)では高齢化率を次のように定義しています。
高齢化社会・・・65歳以上の人口が総人口の7%を超える
高齢社会・・・・65歳以上の人口が総人口の14%を超える
超高齢社会・・・65歳以上の人口が総人口の21%を超える
9月19日に総務省は「高齢者3640万人、世界最高の29%」と発表を出しました。
4人に1人以上が65歳以上の超高齢社会。それが今の日本なのです。
ちなみに、2位はイタリア(23.6%)、3位がポルトガル(23.1%)となっています。
ここまで高齢化が進んだ理由が大きく2つあります。
①医療の発展や生活の変化によって、平均寿命が延び続けている。
②1970年代に訪れた第2次ベビーブーム以降、出生率が減少し続けている。
そのため、日本は25年前の1995年には。高齢者人口が14%を超え、高齢社会へ突入し、
2010年には21%を超えたことで、超高齢社会に入ったといわれています。
さらに、2065年には38.4%となり、そのうち75歳以上は25.5%になると予想されています。
高齢化が進むことで問題になることは何でしょうか。
一番の問題は「労働力人口(就労の意欲があり就労能力がある15歳以上)の減少」です。
経済成長は労働力人口に左右されます。
高齢化と少子化が進むことで、労働力人口も加速度的に減少していきます。
また、年金や介護保険といった社会保障制度は労働力人口によって支えられています。
高齢者1人を支えるために必要な労働力人口の人数は、1960年は11.2人だったのに対し
2020年には2.06人、2065年には1.3人。高齢者1人を1人で支える時代になると予測されています。
医療や介護を中心に、今まで成り立っていた社会保障のバランスが崩れてきているんです。
この進行する高齢化に対応すべく、日本では政府主導で対策が行われています。
「高齢社会対策基本法」に基づいて、基本的な枠組みが作られています。
就業分野では、年齢にかかわらずに働けるための環境整備、公的年金制度の適正な運営、資産の形成支援。
健康・福祉分野では、健康づくりの推進や介護サービスの充実。
といったように、高齢者だけでなく全世代が経済活動に参加できる社会づくりに取り組もうとしています。
2020年では、高齢者のうち就業している人の割合が25.1%と4人に1人は就業している状況です。
また、高齢者の就業を後押しするため、2021年4月には高年齢者雇用安定法が改正され、
70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務として定められました。
高齢者の就労は未来の話ではなく、今まさに直面している問題です。
公務員試験に出るからだけでなく、本気で考えていかなければいけませんね。