東京アカデミー旭川校
ブログ
北海道・札幌市教員採用試験に挑まれる皆さん、こんにちは。
「北海道・札幌市 教育時事 活用術」は、『超定番質問に、どのように教育時事を絡ませて回答すべきか』を心がけて寄稿します。まず最初は定番中の定番「いじめの現状認識/対応/2022ならではの回答」をテーマとさせて頂きます。
「いじめ対応」は第8次学習指導要領「令和の日本型教育」でも引き続き最重要課題の一つです。「2021夏2次試験において、ほぼ全員」が質問されています。今後も他テーマと絡めて、「2022年ならではの回答法」そして皆さんが現職の教員としてお勤めになる際に念頭に置いて頂きたい点をお伝えしていきます。
(グラフ表示もありますので、可能であればスマホではなくタブレットやPCでご覧頂ければ幸いです)
はじめに
なぜ「いじめ」についての質問が昔々から必ず問われるのでしょう? それは「いじめは絶対に根絶されなければならない」という教育上の絶対的理念があるからです。皆さんは「いじめへの対応」をするだけでなく、「根絶するために尽力しなければならない存在」の方なのです。
「いじめの防止等のための基本的な方針(教育答申 最終改定2017年10月11日)」t.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/19/1304156_02_2_1.pdfでは、全58Pに渡り対応の大切さが説かれています。さらに学習指導要領では小学校・中学校・高等学校・特別支援学校全てにおいて、各所至る所に「いじめ対応」に絡めて考察すべき対応法、指導法が記載されています。
皆さんに特に意識して欲しい点は、「いじめ」を取り囲む状況、そして根絶への対応(特に早期発見・初期対応の重要性)は、時代が進むにつれ変化する、豹変する、という点です。
GIGAスクール構想の基、ICT活用先進配布地域である名古屋市で、昨年11月に小学校6年の方が「学校から配布された情報端末上でのいじめ(直接的ないじめもあったのかは未判明ですが)」を苦に自死されるという、本来絶対にあってはならない哀しい事例が発生しています。
ICT活用編でまた寄稿しますが、この事例を知った時改めて、ICTには計り知れないほど大きなメリット(効果)と、過剰なくらい広く深く留意しなければならないデメリット(危険性)があることを、改めて痛感させられました。
小学生たちがSNSを使っていじめを行うことを、10年前にどれほどの大人たちが予想していたでしょうか? そして皆さんが第一線で活躍されている10年後には、どのようないじめが蔓延しているのか……誰にも断言出来ません。
だからこそ「いじめ」の現状を教員だけでなく国民の皆さんと共有するために、現状・対策法・背景・考察など「いじめ」の実態を各教育委員会が毎年公表しているのです。
第8次学習指導要領では、随所で「連携」というキーワードが強調されています。「校種間連携」、「学校段階等間接続(これも連携です)」、そして「地域連携」。即ち「いじめ防止」、「いじめ対応」、「いじめ解消」そして「いじめ根絶」に向けて、この「連携」を盛り込みながら現場では対応していくことが求められていくのです。さらに前述したICT活用を「いじめの温床」としては絶対にならない。逆に「いじめ撲滅の有効なツールとして活用しなければならない」のです。ICTの有効な活用法は各教育委員会が模索しながら取り組んでいることが、HP上で伺えます。(道外自治体を志望先とされている方は、その自治体HPを最低週1回はチェックして下さい。)
当然1次・2次検査ともこの「連携」と前述した「最新のいじめの現状報告(考察含む)」を「正しく(数字として)理解していなければ「これから求められる教員像を自分は満たしている」とアピール出来ません!
2020・2021年夏・札幌市教員採用試験において、弊社通学生の方はほぼ全員の方が「いじめ」について個別面接で下記の通り問われています。
・クラスで「いじめ」が発見されたら、どうするか。
・「いじめ」か「いじめでない」かを、どう見分けるか
・いじめられた生徒が、いじめられていないと言ったらどうするか。
・あなたのいじめ対応を聞かせてください。
・「いじめ を受けている子ども」の保護者への対応(伝えるならどう伝えるか・いじめている相手までも伝えるか) ※「いじめている子ども」のパターンもあり。
いかがですか? 現在、期限付き教諭としてご勤務中の方であれば、実際に直面されている方も多いですよね。 では現場での経験が無い現役生の皆さんなら……どのように回答されますか?
次回は「数字で認識すべき『いじめ問題』」を寄稿します。それまでに下記「学年別のいじめの認知件数(弊社通学講座使用教材「教育時事データブック第4章 教育データより抜粋」をグラフで確認しておいてください。
数字は必ず「何かを意味する」・「何かを指し示す」ものです。このグラフを見て皆さんはいじめの現実をどのように思われるのでしょうか。
「札幌市教育委員会HP」と「不登校者数推移(文部科学省HP)」を合わせたデータを基に次回は見解をお伝えします。