東京アカデミー津田沼校
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みなさん、こんにちは。教員採用試験の予備校、東京アカデミー津田沼校の教員採用試験対策担当の松尾です。
すでに皆様も報道等でご存知かと思いますが、先日(10/13)に文部科学省から発表されました令和2年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」についての概要をご紹介します。
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」とは?
この調査は文部科学省が全国の国公立私立学校を対象に、いじめや暴力行為といった問題行動や出席停止・不登校といった生徒指導上の問題に関する統計を1年に1回発表しています。
令和2年度調査結果の特徴
・不登校人数(小・中)196,127人(令和元年度は181,272人)となり、14,855人増加。
・暴力行為(小・中・高)66,201件(令和元年度は78,787件)となり、12,586件減少。
なお、例年多くの報道等で目にされている「いじめ」に関する調査結果では、認知件数が517,163件(令和元年度は612,496件)で95,333件減少。
以上の結果となりました。これまでいじめの認知件数は過去最高を更新しておりましたが、今回は減少に転じました。
令和2年度(2020年度)は全体として新型コロナウイルス感染症の影響もあり、学校の臨時休校や再開後のオンライン授業等も重なり、いじめの認知件数や暴力行為の件数減少に至ったかと思います。
しかし細かい数字を見てみますと、不登校人数の増加要因として、文部科学省の分析では、「生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況や、学校生活において様々な制限がある中で交友関係を築くことなど,登校する意欲が湧きにくい状況にあったこと等も背景として考えられる。」といった指摘や、いじめの認知件数自体は減ったとしても、「いじめの態様別状況」では、「パソコンや携帯電話等で,ひぼう・中傷や嫌なことをされる」が増加傾向にあるという点は見逃せない点になるかと存じます。
そして結果を俯瞰しますと、いまだに全国で問題行動や不登校などで苦しんでいる児童・生徒が多いのが印象的です。
なお、概要の詳細などは下記の文部科学省からの報道発表も併せてご覧ください。
文部科学省・報道発表『令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要 』
(※上記概要ページの下部に各調査結果がPDF形式でご覧いただけます)
なお例年ですと、各都道府県教育委員会からも各都道府県ごとの上記結果についての報道発表があるかと思いますので、志望する自治体の調査結果には一度目を通しておくとよいでしょう。ちなみに、千葉県教育委員会からも同日に発表がされています。
教員を目指す皆さんはこうした問題に目を背けず、対応できる力が求められていることも踏まえ、採用試験に向けて勉強を進めていきましょう。
今回取り上げました文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」については、教育時事として教員採用試験にて過去幾度となく出題されています。特に今回は例年と異なり、いじめの認知件数などが減少傾向といった点が特徴的かと存じます。
前年度との比較などが問われますので、注意しておきましょう。またこうした現状を知ることが、面接や論作文対策にも生かせますので、しっかりと今回の調査結果を確認しておきましょう。