東京アカデミー旭川校
ブログ
北海道・札幌市教員採用試験合格を目指されている皆さん、こんにちは。
今回は「いじめ対応-2」を寄稿します、とお伝えしましたが、期を同じくして北海道教育委員会、文部科学省から関連資料が発表されましたので、先にご紹介します。
・北海道教育委員会より「いじめの問題への対応状況の調査(令和3年第1回4月~6月時点)」が発表されました。同調査は令和2年は4月~8月と4月~翌3月の2回発表でしたが、今回は令和元年と同じく4~6月で発表されていますので、元年同様に8月、翌3月の年3回発表されると思われます。
1-1・「北海道教育委員会 いじめの問題への対応状況の調査」
いじめの問題への対応状況の調査 - 教育庁学校教育局生徒指導・学校安全課 (hokkaido.lg.jp)
1-2・「いじめの問題への対応状況の調査」結果(6月末現在) 令和3年(2021年)9月 北 海 道 教 育 委 員 会 R3_01_ijimetyousakekka.pdf.pdf (hokkaido.lg.jp)
2・さらに札幌市も含めた「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査(北海道版)」…いわゆる北海道全体の総括ですね…も発表されています R02_chousa.pdf (hokkaido.lg.jp) 。
この2の調査は全国教育委員会で実施されており、その集大成が、
3・「文部科学省「令和2年児童生徒の問題行動・不登校生等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より)」271210.pdf (gifu.lg.jp) 」となっています。必ずプリントアウトしてご確認下さいね。
さて私は前回10/4付けのブログhttps://www.tokyo-ac.jp/blog/199182/ で、「学年別のいじめの認知件数(弊社通学講座使用教材「教育時事データブック第4章 教育データより抜粋」」のグラフを確認しておいてください、とお願いしました。皆さん、ご確認頂きどうお感じになられたでしょうか?
もしこの10/4のグラフ数値を見て、「あぁそうか、年齢を重ねればいじめは減るんだなぁ」と表層的に捉えているようでは、残念ながら2022年夏のあなたの2次検査「個別面接 Ⅱ」は相当苦戦します。同調査の「考察」にあるように、『…(中略)発達の段階によって「いじめ」の捉え方が変化 しているためと考えられるが、アンケートに率直に回答しない子どもが増えていることも想定される…(中略)』ことはもちろん、「学年が進むに連れて不登校児童生徒は多くなる(上記文部科学省「令和元年~」より)という報告、つまりアンケートには「いじめが原因で不登校となった児童生徒の数は反映していない」ことを見逃してはいけません。
同報告書によれば「令和元年年小・中学校における学年別不登校児童生徒数」は、下記の通り小・中学校とも学年が進むにつれて、劇的に多くなっています。
(弊社通学生限定教材「教育時事データブック」より抜粋)
小学校1年生時に2,744人(前年比+448人も増加)もいることも厳しい現実ですが、右肩上がりに増え続け、中学3年生時には48,271 人(前年比+3,058人も増加)にものぼっている現実。そして昨年同調査では不登校の要因としてクロス集計の結果、「『学校における人間関係』に課題を抱えている」×「いじめ」が74,8%と最多であると警鐘を鳴らしています(これは昨年度も同様でした)この比率を単純に当てはめると中学1年25,674人、中学2年33,905人、中学3年36,107人にもなります。「不登校」問題も2次面接の必須事項です。「いじめ」と関連付いたこの「潜在的な人数」を認識し、「不登校」問題と組み合わせて回答出来ないと、「いじめ・不登校の要因の本質が理解できていない人」とみなされてしまいます。
10/14にひきこもり支援に関する通知といじめ問題に関する対応https://www.tokyo-ac.jp/blog/202007/ のブログもアップしています。併せてご確認下さい。
昨年2020年9月25日、北海道新聞の第1社会面に掲載された「コロナ休講きっかけ 目立つ不登校相談」も、深刻な現状を示していました。その時の記事によれば、北海道教育委員会が設置する北海道子ども支援センターには6月、不登校などの相談が休校中の5月の倍近い316件も寄せられ、北海道教育委員会生徒指導・学校安全課は「休校明けのストレスと、感染拡大による社会環境の変化が重なったのでは」と分析しています。2021年もこの深刻さは決して好転してはいないでしょう。
札幌市教育振興プラン札幌市教育振興基本計画/札幌市 (city.sapporo.jp)第3章「札幌市教育ビジョン」では、「自立した札幌人」を育むことを掲げています。「自立」の定義は多数列挙されていますが、「いじめられている本人が、周りの応援を得ながら、自ら乗り越えていく」ことを目指しているようにも読み取れます。
令和3年「札幌市学校教育の重点 豊かな心の育成(P11~12)」の「学校いじめ防止基本方針」に基づいた「いじめの防止・早期発見・対処」内の、■児童生徒が主体となるいじめの防止の取り組みでも「…中略…全ての児童生徒がいじめの防止について考え、主体的に取り組みます」とありますね。
とは言え、本人だけで「いじめ」から脱却するのは困難です。だからこそ「ピア(=仲間)・サポート(=支え)」による「子ども同士の助け合う心・行動」(=サポートする子どもたちの自立にも繋がる)を促進している、と関連付けて理解して下さい。
教員であるみなさんには「何事も関連付けて知識習得/対応経験を重ねる習慣付け」が求められます。つまり、「いじめ」問題への対応は決してその場凌ぎではなく、「子どもの成長」に繋げることこそが目標だ、と捉えることが大切なのではないでしょうか。
「いじめ対応」を一括りにし、簡単に考えることは出来ません。当然、単なる試験対策と考えることも禁物です。この問題は、実際に勤務していく上で絶対に目を背けてはならない重大事項だからです。
それ故に2021年夏実施2次試験では「個別面接 Ⅱ」において、ほぼ全員が様々な問われ方で質問されています。今後、ICT活用が拡大していく中で、ICTならではの「危険性」、逆に「早期発見、解決法」もあるはずです。
それ故に弊社通学講座では1次・2次検査対策の講義時に関連科目を含め、延べ20時間以上もの時間を割き、採用後を見据えてその重要性を教育時事と絡めながら理解を深めていただきます。
「いじめの種類(多様化・陰湿化している現状)の理解」、「いじめの裏に潜んでいる背景を汲み取る力」、「いじめ解消に向けた北海道・札幌市の対応、方針」の最新分析を正しく理解し、それを確たる根拠とした上で、さらに学習指導要領と絡めて「自分が北海道・札幌市教員となり、いじめ問題に直面した際に取るべき正しい対応」として2次検査時に面接官に伝えなければ、『この人なら安心して将来の北海道・札幌市の子どもたちを任せられる』と信じてもらえないのです。
曖昧で漠然とした知識や、今までの現場での対応経験だけの回答では、「これから求められるいじめ解消対策」の正しい回答とはなり得ません。 だからこそ「教育時事は必須科目」なのです!
次回以降も重要テーマをお届けします。ぜひ「講義に参加している気持ち」でご一読下さい。