東京アカデミー松山校
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東京アカデミー松山校のくにかねです。
松山市にある合同庁舎の横に新しくスーパーができたので利用したのですが、
なんと、お会計が全部セルフレジだったんです。
初めて使うと手間取りますね。
近くにいた店員さんに、あれこれ教えてもらいながら、無事に会計を済ませました。
これから完全セルフレジのお店が増えていくのでしょうか。
国際課税と聞くと「よくわからないけど難しそうだな」と思いますよね。
確かに、私たちの身近な存在ではなさそうです。国際課税は法人税の話ですから。
ただ、「今後の日本の税収が増えるかも」と言ったら、少しは興味を持ってもらえるでしょうか。
この国際課税の新ルールは、OECD加盟国を中心に2013年から交渉をはじめ、
10月9日に136の国と地域が最終合意して作られたもので、
実に、100年振りの大改革と言われています。
なぜ、新ルールが作られることになったのか。
それは「デジタル時代」に突入した現代ならではの理由があるんです。
今までのルールでは、課税の対象になるのは、原則、その国に工場や本社がある企業です。
工場や会社が提供するサービスなどの利益に課税するという仕組みでした。
つまり、「物理的な拠点がある国」が法人税を課すようにルールが作られていたのです。
ところが現在では、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾン(GAFA)等を利用する人が増えてきました。
これを読んでいるあなたも、どれかのサービスは使ったことがあると思います。
これらGAFAは、スマートフォン一台あれば手軽にインターネットを介して、音楽や動画等を楽しむことができます。
それこそ、国境にとらわれずサービスを展開してますよね。これが今回の新ルール発足の要因なんです。
デジタル化が進むことで、データといった、今までとは異なる形のないものから利益が生まれる。
これらに、どうやって適正に税収を行うか、という課題を解決する必要がありました。
今回の新ルール合意のポイントは次の2つです。
①法人税の最低税率を導入すること。
これまで、日本、アメリカ、ドイツなど、国ごとに法人税の税率にばらつきがありました。
そのため、新しいルールでは、法人税の最低税率を15%に定めたのです。
②デジタル課税の導入
日本の税収が増えるかもというのは、こちらが要因になります。
企業が世界で売り上げた金額の10%を超える利益を課税の対象とし、
そのうち25%をサービス利用者がいる国に配分するというルールです。
2013年から8年間に及んだ交渉が、2021年にまとまった背景には
新型コロナウイルス感染症の影響があります。
世界的パンデミックと言われる状況で、日本を含めた各国の経済低迷は防げませんでした。
その中で、これからも急成長するであろうIT企業にも目を向け、
適正な課税を行い、公平な社会の実現を目指そうという動きが世界中で高まっているのだと思います。