2021年夏　千葉県・千葉市教員採用試験　試験結果を振り返って

こんにちは！東京アカデミー津田沼校の教員採用試験対策担当の松尾です。
10/8（金）に千葉県・千葉市教員採用試験の最終合格発表が行われました。このブログをご覧になられているほとんどの方は2022年夏以降のご受験かと存じます。2022年夏受験の方は約1年後に笑って結果を受け入れられるようにしたいですね。

さて本日は皆様に、千葉県・千葉市教員採用試験の受験倍率や倍率から見えてくる課題などについてご紹介したいと思います。

【１】2021年夏受験の受験倍率について

下記に掲載しましたのは、10月8日に最終結果が発表されました千葉県・千葉市教員採用試験の校種別の受験倍率です。（東京アカデミー調べ）

	小学校	中学校・高校	特別支援	養護	総計
2021年	1.8	3.7	2.3	5.1	2.7

ちなみに、2020年夏受験の数値を見ますと、

	小学校	中学校・高校	特別支援	養護	総計
2020年	1.8	3.3	2.5	7.4	2.7

 

2年間のみで比較しますと、試験全体の倍率（総計）は横ばい傾向にあります。採用予定数が2020年比全体で125名減少、受験者数も2020年比全体で328名も減少しているものの、一部教科において最終合格者数を絞ったことから倍率がほぼ変わらなかったものと考えられます。

 

【２】中学校・高校共通の主要科目における受験倍率について

次に下記に掲載しましたのは、中高共通の中でも比較的倍率が高い、主要科目における受験倍率です。

	中高社会	中高保体
2021年	4.8	9.4

ちなみに、2020年夏受験の数値はと言いますと、

	中高社会	中高保体
2020年	4.8	6.9

 

2年間を比較しますと、受験生が多いといわれる中高社会・中高保体において、倍率が2020年比で中高社会では横ばい傾向、倍率も4.8倍（約5人に1人が合格）でしたが、圧倒的に急上昇したのが中高保体でした。中高保体の科目倍率自体は2020年でも7倍近く（約7人に1人が合格）でしたが、2021年はさらに狭き門となりました。中高保体科目において、最終合格者の選別がより進んだものと見られます。（2021年夏の倍率9.4倍＝約9人に1人合格という狭き門となりました）

ただいずれにせよ、他の校種・教科に比べますと、やはり倍率が高い傾向には変わりありません。

 

【３】受験者数・1次合格者数・2次合格者数から見る倍率

　次に、中学校・高校共通及び養護教諭における受験者数及び1次試験・2次試験の合格者数から倍率を見比べてみましょう。

2021年	中学校・高校共通	養護教諭
受験者数	2444	314
1次合格者数	1540	189
2次合格者数	658	61
1次試験合格倍率	1.6	1.7
1次合格→2次合格の倍率	2.3	3.1

※受験者数は県教育委員会が発表している「志願者数」とは異なり、実際に受験された方を東京アカデミーにて独自に教育委員会に調査した人数です。

 

上記の表を見ますと、どの校種とも1次試験合格者数から2次試験合格者数を割った倍率（表中の一番下の数値）で篩いに掛けられ、倍率もやや高くなっている傾向にあります。

2次試験は主に人物試験（個別面接・模擬授業）が課されますので、ご本人の教育論に留まらず、ご本人のパーソナリティ、最新の教育時事、県教育委員会の施策への理解といったものも求められます。

特に毎年千葉県教育委員会から発表されている「千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考方針について」において、人物試験では「人間性」をトップにしています。こうしたことからもご本人の人柄を重視する試験であることも理解しておく必要があるかと思います。

 

【４】倍率に惑わされないように対策を行いましょう

　最後に、倍率に惑わされないためのワンポイントアドバイスです。

　例えば、中学校・高校については、【1】でご紹介した通り、全体の受験倍率は3.7倍となっていますので、この倍率だけ見ますと、受かり易いのでは…と思われるかもしれません。しかし、実際の試験では、中学校・高校全体の受験者数が2,444名に対して、最終合格者数が658名となっています。裏を返しますと、1,786名もの方が不合格となっており、不合格者数が最終合格者数より、1,128名、実に約1.7倍多いという結果も見えてくるのです。

　「倍率が低いから受かり易いや…」「受かり易いなら対策は後でいいや…」といったことをお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし最終合格のうちの一人に到達するためには、各試験における日頃からの積み重ねがモノを言うのは必定です。

　筆記対策では教職教養・専門試験について、受験自治体の試験傾向を掴んだうえでの対策や人物試験においては、自らの教育観・教師像やこれまでの経験が今後どう教員として生かすことが出来るかといった視点を以って、少しずつ地道に準備しましょう。また最新の教育課題にもアンテナを張って、自らの考えをまとめておくことも肝要です。

 

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