東京アカデミー札幌校
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北海道・札幌市教員採用試験合格を目指されている皆さん、こんにちは。東京教アカデミー札幌校教員採用チームの永森です。札幌校教採ブログはチーム内で担当分野を分けて寄稿していきますが、私の担当寄稿は実際の講義時に使用するプリント、補助冊子からの抜粋、各府省庁・教育委員会からのURLも絡めた「講義形式」ですので長くなります。予めご了解下さい。(毎回書いて恐縮です 😐 )
2022年受験に向けて皆さんは様々な教育時事に常に関心を寄せ、深く理解しなければなりません。それは1次・2次ともに問われた際の「正解の根拠」がそこに込められているからです。「時事」は最終的には『最新時事』を網羅しなければなりません。ただ受験生の皆さんはその大事さを十分理解されているのですが、まだ本試験まで期間がある今現在は「さて、では膨大なテーマの中から…う~ん、今は何から知っておけば…?」と立ち止まってしまいますよね。それは当然だと思います。
そういう時は無理に「時事」を探し出す時間を割くのではなく、「回答の根拠となる通知・通達・方針」を通読…斜め読み…することから始めることをお薦めします。それは文部科学省、北海道・札幌市教育委員会だけではなく、11/1の衆院選後の会見で首相が改めて表明していた子ども関連の司令塔となる「こども庁」創設に伴いチカラを合わせる厚生労働省や内閣府などのHPも含まれます。
(※ただこの原稿を書いている11/3、来年の通常国会に提出される予定の「こども庁」創設に伴い「こども庁の管轄から義務教育は除外(=文部科学省から移管しない)」とする政府案の方向性が検討されていることが発表された、との記事が同日北海道新聞5面に掲載されていました。デジタル庁創設時も再々ニュースで取り上げられていましたが、府省庁の縦割り打破はやはり簡単ではない、という印象を受けます。一歩一歩ずつ連携の歩みを進めて欲しいですね。「こども庁」は来年度の1・2次試験において間違いなく重点事項となりますので、今後も注目していきます。)
話しを戻しますね。ちょっと古いですが北海道教育委員会より2021年2月25日に「教育行政執行方針」(→こちら)が発表されています。おそらく現役生の方はご覧になられていない方が大多数でしょう。ご自分が受験される自治体が掲げている方針を知ることは、教員採用試験に挑む上での大原則ですよ。これを機会にぜひ一度通読しておいてください。(「教育行政執行方針」は例年同時期に更新されますので、皆さんも着目しておいてくださいね)
ここで強調されているのは、新型コロナ感染防止対策に苦慮した2020年の対応経験を、新しい北海道教育の将来像へ積極的に活かそうという気概です。2021年夏1次・2次検査における質問事項の出題根拠/回答根拠がぎっしりと詰まっていました。来年度はさらに2021年の対応も根拠に盛り込まれるでしょう。来年新たに発表されたらまたお知らせしますので、必ず深く読み込みその方針の背景を正しく考察してください。
2021年2月版を通読した時に印象に残ったことは2点あります。
1つ目は3「むすび」1~3行目「これまで当たり前だった日常が大きく変わり、先を見通すことが困難な時代、誰ひとり取り残さない。多様な学びと安心な居場所を築くとともに、この逆境や制約を受け身ではなく変革の扉ととらえ・・・」の文章です。学習指導要領が小・中・高・特支で完全施行される変革期に、思いもよらなかったコロナウィルス感染症対策でガラリと変わった社会環境を、組み合わせて前向きに挑む決意が感じ取れます。
2つ目はこの発表は、教員ではなく「道民(と道議会議員)に向けて発信」されていることです。つまり「今、学校に通っている子どもを有していない年齢層の方も含めた全道民で、理想の北海道教育を実現しよう!」とメッセージを送っているのだと感じ取れます。
この指針はⅠ~Ⅲで構成されており、Ⅱ-1においては「学びを止めない」「心を近づける」教育の推進について述べられています。新型コロナウィルス感染症への対応が多数列挙されていますが、スクール・サポート・スタッフや学習指導員など外部人材の登用、オンライン学習の充実(ICT活用はⅡ-2の中でさらに触れられています)、児童生徒の心のケア、差別・偏見や誹謗中傷の防止に積極的に取り組む、と宣言されています。
Ⅱ-1関連項目について、札幌校教採ブログでは以下の内容で先月取り上げております。併せてご一読下さい。
・北海道・札幌市 教員採用「教育時事 活用術 いじめ対応 - 1」(→こちら)
・北海道・札幌市 教員採用「教育時事 活用術 いじめ対応 - 2」(→こちら)
Ⅱ-2は重点項目が10項目ズラッと並びます。2次面接時の回答の方向性は、この方針に沿っていなければ評価されないことは確実です。最終目標は「生涯を通じ、個性が輝き、豊かさを実感できる教育の推進」であり、学校内で留まるのではなく、社会で活きる「知・徳・体」の育成となっています。このⅡ-2に関連するブログは今後上げていきます。
Ⅱ-3は「北海道への誇りと愛着を持ち、未来を切り拓く人づくり」のタイトルです。Ⅲの「むすび」にもつながる「北海道らしさ、北海道ならではの教育・将来像」が記載されています。Ⅱ-2の文化振興でも触れられている「ウポポイを活用したアイヌの方々の歴史・文化等に関する学習、アイヌ文化や文化財の保存・伝承活動の支援」などの記述もあります→2021年夏1次試験において「ご当地時事問題」として出題されています。
札幌校には道外在住の北海道教員採用試験希望の方々から、毎月多くの電話質問を頂戴します。そのような道外在住の方々は、特にこのⅡ-3は精読しておくことをお薦め致します。
今回は短めに((笑)。以上です🙋♂️