東京アカデミー青森校
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こんばんは。東京アカデミーの佐井です。
10月28日のブログ「これからの公務員試験は時事問題がとても大事!」で、今年の地方公務員A日程6月試験(青森県・青森市など)では、時事問題がなんと40問中5問出題されたとお知らせいたしました。
日本人事試験研究センターの機関紙には、「これまでと比べて時事を重視し、社会的に幅広い分野の題材(ICT、環境問題、社会保障など)を出題」と明記されています。
では、実際にICT、環境問題、社会保障はどのように出題されたのでしょうか。
2018年度B日程試験に出題された過去問題を見ていきたいと思います。
情報通信技術(ICT)の様々な用語に関する次の記述ア~エのうちには妥当なものが二つある。それらはどれか。
ア 人々の携帯電話などの位置情報といったビッグデータについて,ICT 技術の発展により解析が可能となっている。企業が個人情報に当たるビッグデータを本人の同意なく,第三者に提供する際には,個人が特定されない形に加工することが法律上義務付けられている。
イ IoT とは,自動車や家電などがインターネットに繋がり,相互に通信が可能になる技術や仕組みである。
ウ クラウドサービスとは,社内での情報共有を円滑にしつつ社外に情報が漏洩することを防ぐため,社内のコンピュータにおいて全ての情報を一括管理し,全ての社員がどこからでもアクセスできるようにするシステムである。
エ 人工知能(AI)分野の技術が発達し,様々な面での活用が図られている。企業の採用面接などでの活用が広がっている一方,株式の運用などのように金融面での活用は法律で禁止されている。
1 ア,イ
2 ア,ウ
3 ア,エ
4 イ,ウ
5 イ,エ
正解は「1」です。
イのIoT とは、コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことであり、正しいです。
ウのクラウドサービスとは、従来は手元のコンピュータに導入して利用していたようなソフトウェアやデータあるいはそれらを提供するための技術基盤(サーバなど)を、インターネットなどのネットワークを通じて必要に応じて利用者に提供するサービスのことで、社内のコンピュータネットワークのことではありません。
エは、トレーディング・資産運用・融資など、AIの登場前から、統計的・数学的な方法を用いた開発・改良がなされてきた分野であり、一般論として、金融分野とAIとの相性がよいとされていたぐらいであり、法律では禁止されていません。
世界におけるエネルギー資源とその利用に関する次の記述のうち妥当なのはどれか。
1 世界の原油生産量の 90% 以上はサウジアラビアなど,中東諸国に集中しているが,日本は原油の輸入先を多角化してきており,現在日本の原油輸入量における中東諸国の依存度は約50% である。
2 天然ガスはアメリカやロシアが主な生産国となっている。このうちアメリカでは,国内の生産量に占めるシェールガスの割合が高まっており,日本への天然ガスの輸出も開始されている。
3 石炭はオーストラリアが世界有数の生産・輸出国である。石炭の消費については,中国が世界最大であるが,国内では産出しないため中国は世界最大の石炭輸入国となっている。
(中国は世界最大の石炭生産国であるが、国内炭価格が高値で推移したことから石炭輸入量をこれまでになく増加させている。)
4 原子力発電は多くの先進国で導入されている。しかし,近年ではヨーロッパ諸国を中心に脱原発を進める国が増え,フランスやドイツではすでに原子力は発電エネルギーとして用いられていない。
5 再生可能エネルギーのうち太陽光発電の導入状況についてみると,日本は 2010 年代に入り導入が拡大したが,2018 年現在の累積導入量は OECD 諸国の中で最も少ない。
正解は「2」です。
1ですが、現在日本の原油輸入量における中東諸国の依存度は90%弱です。
3は、中国は世界最大の石炭生産国ではありますが、国内炭価格が高値で推移したことから石炭輸入量をこれまでになく増加させています。
4は、フランスは原子力の比率が高く、水力も一定の比率を占める一方、火力発電の比率が低く、すでにCO2排出ゼロ電源の比率が総発電設備容量の80%以上を占めています。
そのため、今後も原子力発電が一定以上維持されていくとされています。
5は、2018年は世界3位となっています。
日本の保健や医療の現状に関する次の記述ア~オのうちには妥当なものが二つある。それらはどれか。
ア 平均寿命は女性では 85 歳を超え,男性では 80 歳を超えており,いずれも世界最高の水準である。介護を受けたり,寝たきりになったりせず日常生活に制限のない期間の平均値を健康寿命といい,平均寿命と健康寿命の差は 3 年に縮まっている。
イ 主要死因別に見た死亡数を見ると悪性新生物(がん)が最も多く,その他には心疾患や脳血管疾患なども上位である。
ウ ジェネリック医薬品の普及は患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資するが,ジェネリック医薬品と先発医薬品とを比べると前者の数量シェアは後者の半分に満たない。
エ 地域の医師確保等に対応するため,多くの医学部で卒業後は特定の地域で従事することを条件に奨学金を支給する地域枠が設けられている。
オ 全国の地方公共団体が経営する公立病院は再編統合による効率化が進められてきたことから,現在では大多数の経営が黒字となっており,厚生労働省はさらなる再編統合は当面必要ないとの立場をとっている。
1 ア,ウ
2 ア,エ
3 イ,エ
4 イ,オ
5 ウ,オ
正解は「3」です。
アの平均寿命とは、0歳時点で何歳まで生きられるかを統計から予測した「平均余命」のことであり、健康寿命とは、日常生活を制限されることなく健康的に生活を送ることのできる期間のことをいいます。
病気などによって介護や支援などが必要になってから亡くなるまでに、男性では約9年、女性では約12年もの時間があり、年々差が広がってきています。
この差が拡がらないよう、健康維持に努めて介護や寝たきりといった生活をできるだけ少なくすることが大切とされています。
ウは、日本でのジェネリック医薬品の使用率は年々伸びており、2020年9月時点で78.3%となっています。
オは、全国776の病院のうち、なんと赤字病院は756、合計赤字額は5,600億円を超えています。
2021年度試験で出題された時事問題に関しては、1月29日(土)の「地方公務員セミナ~青森県内自治体1次試験対策 やってみる!ガイダンス~」で取り上げます。
また、現在、公務員試験情報や勉強の仕方など、『個別無料相談』で対応させていただいておりますので、ご興味のある方は是非ご予約ください。
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