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こんにちは、大阪校国家試験対策担当です。
第33回国試 午前問題8 《正答率80.9%》
マズロー(Maslow,A.)による人間の欲求階層又は動機づけに関する理論について,次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 階層の最下位の欲求は,人間関係を求める欲求である。
2 階層の最上位の欲求は,自尊や承認を求める欲求である。
3 階層の下から3 番目の欲求は,多くのものを得たいという所有の欲求である。
4 自己実現の欲求は,成長欲求(成長動機)といわれる。
5 各階層の欲求は,より上位の階層の欲求が充足すると生じる。
正答 4
1 × 最下位の欲求は,「生理的欲求」である。
2 × 最上位の欲求は,「自己実現の欲求」である。
3 × 階層の下から3 番目の欲求は,集団への帰属や愛情を求める「所属と愛情の欲求」である。
4 ○ 「自己実現」とは,自分の可能性を顕在化していくことである。その過程で成長欲求が生じ,「成長している」と実感することで充足していくため,自己実現が成し遂げられるのである。このような性質上,
自己実現の欲求を「成長欲求(成長動機)」と呼ぶのに対して,欲求階層説の自己実現の欲求より下の4 つの欲求はまとめて,「欠乏欲求(欠乏動機)」と呼ばれる。
5 × 低次の階層の欲求が充足されて初めて,上位の階層の欲求が生じるのである。これは人間の心身の発達過程と関連しながら,欲求も満たされていくことを示している。
第33回国試 午前問題20 《正答率76.4%》
次のうち,社会的ジレンマの定義として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 目標を効率的かつ公正に達成するための手段として制定されたルールが,それ自体目的と化してしまうことで,非効率な結果が生み出されている状況
2 文化を介して不平等や序列を含んだものとしての社会秩序が維持・再生産されている状況
3 信頼関係,互酬性の規範,人的ネットワークなどが整えられることによって人々に広く便益をもたらしている状況
4 協力的な行動には報酬を与え,非協力的な行動には罰を与えることで,協力的行動が合理的であるようにする状況
5 各個人が自らの利益を考えて合理的に行動した結果,集団あるいは社会全体として不利益な結果を招いてしまう状況
正答 5
1 × 「手段の目的化」についての説明である。手段の目的化とは,もともと,ある目的を実現するために手段を選択したものが,その手段を実行すること自体が目的化してしまうことをいう。社会理論や経営論において用いられる概念である。
2 × 「文化的再生産」についての説明である。文化的再生産とは,ブルデューが提唱したもので,言葉遣いや身体的振る舞い,学歴や獲得した制度資格などの「文化資本」が,本人や家族で蓄積され次世代に継承されていくことをいい,親が社会秩序の上位者として獲得したこれらの文化資本が,子へと継承されるなかで,子もまた社会秩序の上位者となりうる可能性が高いが,これらの文化資本を有しない親の子は,親同様に社会的な上位者になることが難しいとされる。
3 × 「ソーシャル・キャピタル」についての説明である。ソーシャル・キャピタルは,パットナムが提唱した理論で,例えば地域住民との関係が良い企業や,社内での同僚との信頼関係や人的ネットワークが良好な者は,事業やビジネスにおいて有利な事業展開やビジネスが可能になることなどが挙げられる。
4 × 「サンクション(サンクショニング・システム)」についての説明である。社会的ジレンマが生じた場合に,それを解決するための一つの方法である。
5 ○ 「社会的ジレンマ」とは,各個人が自らの利益を考えて合理的に行動した結果,集団あるいは社会全体として不利益な結果を招いてしまう状況をいう。例えば,自分にとって利益を与えるのであれば,限られた資源であっても,それを他者に優先して消費するのが(自分にとっては)合理的であるが,その結果,資源は枯渇の危機にさらされてしまう場合などをいう。
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