東京アカデミー札幌校
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北海道・札幌市教員採用試験合格を目指されているみなさん、こんにちは。東京アカデミー札幌校の永森です。
2021年11~12月は北海道内での積雪量に大きな地域差があり、例年以上の積雪となっている地域の方々におかれましては除雪のご苦労が絶えないでしょうが、くれぐれも落雪事故などにご注意を頂きたいと願います。そして今日現在積雪量がゼロに近い地域の方々も、これからの積雪は避けられません。油断せずに備えをしましょう。
北海道における「雪」は本州や諸外国にはない季節感を感じさせ、その季節感を求めて多数の観光客がご来道下さり、お祭りでの活用や除雪に携わる方々の生活基盤となる大きな「財産」です。札幌市教育委員会も「札幌らしい特色ある学校教育」の3項目の1つに「雪」を挙げています。
反面、雪は重大な交通事故や転倒による怪我、家屋の倒壊など様々な事故を誘発する「危険要因」でもあります。「安全・安心」を提供する学校は、大規模自然災害の際に地域の避難所になっているケースも多く、国は「学校の安全性確保は絶対的な責務」と位置付けています。本州では南海トラフによる大規模地震発生の高まりが懸念されており、地域の中核を担う学校は地震防災対策の強化を最重要事項と捉えているそうです。雪が降り積もり身動きも暖も取れない北海道の冬に大規模な自然災害が発生したとすれば、学校は地域住民の方々の「生命を守る拠点」となりますよね。
そこで今回は2022年教員採用試験において、北海道・札幌市はもちろん、全国全自治体どこの試験で問われても不思議ではない「学校安全」についてお伝えします。
【学校保健安全法第3条】
・国は,各学校における安全に係る取組を総合的かつ効果的に推進するため,学校安全の推進に関する計画の策定その他所要の措置を講ずるものとする。
この内容を踏まえ、学校においては『学校安全の推進に関する計画』が平成24年4月に初めて策定され、今回の策定が第3次となります。
〇現行計画期間中の取組状況の検証及び社会の変化に基づく改善策
➣東日本大震災の教訓及び近年の災害の激甚化を踏まえた防災教育の充実
➣防犯・交通安全についての一層の充実方策
➣学校,家庭,地域,関係機関・団体との連携
➣新たな課題(SNSの普及,新たな危機事象)への対応
➣新型コロナウイルス感染症対策と安全対策の両立
これらの内容に基づき、
〇学校安全に係る取組の全国的な質の向上
〇安全教育、安全管理に関して教員養成段階で身に付けておくべきことや教員研修の在り方
についてがまとめられる予定です。
最後に全国各地で近30年以内に震度6弱以上の巨大地震に襲われる確率などを示した、2021年3月26日政府地震調査委員会発表から「全国地震動予測地図(北海道版)」→こちらhttps://manabi-info.com/japan-0102-2020-01/ の2020年版を掲載します。全国各自治体間も地域差が大きいですが、自治体別で見ると日本一広大な面積を有する北海道は道内での地域差が非常に大きいことが伺えます。振興局別に震度6弱以上の巨大地震に襲われる確率を記載しましたが、6弱と6強を足すと100%を超える地域も多く、「備えるべきことはとにかく早く完了し、完了後も日々危機感を欠いてはならない」と自覚させられます(振興局付近を管内と置き換えて表記しています)。
石狩管内2,4%、空知管内14,5%、後志管内7,2%、渡島管内1,6%、檜山管内1,6%、渡島管内上川管内0,9%、留萌管内3,0%、宗谷管内1,9%、オホーツク管内4,4%(ただし5弱・強合計は110,9%)、胆振管内10,11%(ただし5弱・強合計は116,5%)、日高管内96,8%(5弱は100%、5強は97,3%)、十勝管内25,6%(ただし5弱は96,5%、5強は67,7%)、釧路管内93,9%(5弱は99,8%、5強は95,4%)、北方領土を含む根室管内は109,1%(5弱は100%、5強は97,7%)となっています。北海道で受験される方は、ご自身が赴任される地域の発生予測をご認識ください。なお予測地図はエリアごとに危険地域が色分けされています。ぜひご自身の目でご確認下さい。
もちろん安全教育は地震への対策だけではありませんが、これから教員を目指す方にとって、ご自身が「安全教育への関心が低い、国や自治体の取組に対するビジョンの認識が低い」という状態では、1次筆記/2次個別面接で回答できません。今回の『第3次学校安全の推進に関する計画』の策定を知る機会をきっかけに、ぜひ、安全教育について正しい知識を身に付け、実践レベルの意見作りを進め、合格を手にして欲しいと願います。
なお政府地震調査会は「確率が低いから安全」とは限らないと題し、以下の警告を記載しています
「日本は世界的に見ると地震により大きな揺れに見舞われる危険性が非常に高く、過去200年間に国内で大きな被害を出した地震を調べると、平均して海溝型地震は20年に1回程度、陸域の浅い地震は10年に1回程度起きています。このため、自分の地域で最近地震が起きていないからといって安心はできません。日本国内で相対的に確率が低い地域でも、油断は禁物です。そのような地域でも、1983年日本海中部地震(M 7.7)や2005年の福岡県西方沖の地震(M 7.0)、2007年能登半島地震(M 6.9) のように、大きな地震が発生し、強い揺れに見舞われて大きな被害が生じました。」以上です。 「いつか発生するかもではなく、いつか必ず発生する」と考えを改め、日々子どもたち、生徒たち、地域の方々の安全安心に努めて下さい。お願い致します。
東京アカデミーでは全国32校のネットワークを活かし、各校でテーマ別の対策講座を実施しています。道外自治体受験を検討なさっている方は、札幌校に通学しつつご希望エリアの東京アカデミー教員採用短期講座も併用することをお薦め致します。
『第3次学校安全の推進に関する計画』を含めた札幌校通学講座のご紹介
札幌校では既に10月生、11月生の方が学習をスタートされています。次に開講する1月生が、対面(Zoom講義も併用)講座の最終開講となります。ご自身の学習でまだ足りていない分野を克服するラストチャンスを、ぜひご活用下さい。
次回以降、1月生ご入会を検討されている方を対象に、「教養学習法①~④」、そして独学で後回しにしてしまい得点源に出来ない方が多い「教育法規あれこれ」(教育法規は北海道・札幌市の1次では出題数が少ないですが、2次面接では多数の質問の回答根拠となります)を年内完了を目安に投稿していきます。ぜひご一読ください。