東京アカデミー大宮校
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こんにちは。公務員試験の予備校=東京アカデミーの公務員科担当です。
今回は【衆議院・参議院衛視】についてご紹介いたします。
■業務内容について
国会議事堂や分館・別館の警備、防災業務にあたることが主な仕事です。議員や議長、大臣、さらには海外からの賓客の安全を守るという、非常に重大な任務を担っています。
国会は、国会中継やニュースなど、テレビでもよく見かけると思いますが、いわゆる強行採決が行われ、取り囲む各党議員などから委員長や議長を守っている制服の方たちがまさしく衛視です。衛視は、原則的に武装していませんが、近年、立番では防刃ベストと警棒を持っているとのことです。
まずは入局後1年間、衛視として働くために必要な知識を身につけるため、初等教育を受けます。その後は立番、参観案内、夜勤、開会式(※1)警備、衛視大点検・観閲式(※2)などの職務にあたります。
勤務は、24時間365日体制のため、日勤と交代制勤務があります。日勤・交替制勤務ともに週休二日制です。交替制勤務は8日に1度の夜勤があり、午後5時から翌日午前10時までの勤務となります。
ちなみに、議事堂内の中央広間の四隅のうち3ヶ所には、議会制度導入に尽力した板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像がありますが、残りの1ヶ所の台座には銅像がありません。これは4人目を人選できず将来に持ち越されたとか、「政治に完成はない、未完の象徴」という意味があるともいわれています。
議事堂見学で中央広間に訪れると必ず、衛視の方より上記のエピソードが披露されます。参観案内に必要な知識も、おそらく入局後の初等教育の中で学ぶものと思われます。
※1 毎国会会期の始めに、両議院の議員が参議院の議場に集まり、天皇陛下をお迎えして行われます。その際、衆議院議長が両議院を代表して式辞を述べ、陛下からお言葉を賜るのが慣例となっています。
※2 国会の召集日および開会式の朝には、衛視大点検が行われ、服装および貸与品の点検と重要事項の伝達が行われます。常会の召集日には、参議院議長による衛視観閲が行われ、議長から訓示を受けます。
■採用試験について
衆議院と参議院で別々に実施されます。試験日程も異なるため、衆議院と参議院それぞれの衛視採用試験を併願することが可能です。
採用試験は、第1次試験(筆記試験)と第2次試験(人物試験)の2段階で実施されます。
第1次試験では、基礎能力試験(多肢選択式)、一般常識試験(短文記述式・参議院のみ)、作文試験(参議院のみ)が課され、第2次試験では、面接試験(個別)、身体検査・体力検査が課されます。
国家公務員 特別職としての採用で、広域異動がないこともあり、人気の職種といえます。
また業務内容が警備や防災に関わる仕事のため、警察官・消防官などの公安職志望の方に
も併願先としておすすめできる職種です。
ただし採用人数が例年1桁と極めて少ないため、難関試験の1つとなっております。
■どのような人が向いているか
立番の仕事が衛視の基本職務となります。季節を問わず屋外での勤務も多くあるため、体力はもちろんのこと、集中力や的確な判断力が必要です。不測の事態に備え、常に緊張感をもって働くことが求められます。
また、国会にはさまざまな方が訪れます。特に参観案内では外国の方や小学生、お手伝いを必要とされる方など、幅広い世代・国籍の方への柔軟な対応が必要です。そのため、厳格な態度だけではなく、様々な背景をもつ方と接する上での高いコミュニケーション能力も求められます。
■東京アカデミーの講座について
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次回は、国家公務員の紹介(皇宮護衛官)をお届けする予定です。