東京アカデミー大阪校
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AI(人工知能)を活用したスクリーニングを実施することで具体的な支援につなげる取り組みが一部の自治体で実施されている中、神戸市は全国で初めて独自に予算を付けて、12月から本格的な活用を始めました。
学校で行うスクリーニングとは、
「子どもの最善の利益のために、すべての子どもを対象として、問題の未然防止のために、データに基づいて、潜在的に支援の必要な子どもや家庭を適切な支援につなぐための迅速な識別」であり、
つまり「1 人で単に子どもの実態をチェックすることではなく、チェックしたデータに基づき複数人による議論から実行可能な暫定的な方向性を決定すること(文部科学省:「スクリーニング活用ガイド」より)」ですが、
神戸市が活用するのは、大阪府立大の山野則子教授らが開発した支援が必要な子供を適切に見い出す「スクリーニング」Yamano Osaka-Screening Sheet(YOSS)の手法にAI(人工知能)診断要素を加えたスクリーニングシステムです。
複数の教員が、欠席・遅刻、身だしなみ、健康、いじめアンケートなど約40項目について、気になる程度を点数で入力
→データをもとに全員の状況を「スクリーニング会議」で確認し、チーム会議で検討するかを判断します。
AIはあらかじめ、全国の支援の成功例やうまくいかず事件化した事例の特徴を学習しておくことで、スクリーニング会議での判断をサポートするとともに、必要な支援のレベルについて提案します。
そして、支援を要する児童生徒への具体的な支援は、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等と連携を図りながら実施していくことになります。
神戸市はこのスクリーニングの手法及びAI(人工知能)診断を活用することで、生活困窮、不登校、児童虐待、家族介護など支援を要する児童生徒の状況把握及び支援の方向性を検討する取り組みを、市立小・中学校20校程度で試行的に実施しますが、12月から2022年1月にかけて約7,000人を対象にスクリーニング会議が実施される予定です。
虐待や非行、不登校といった子どもたちに対する支援を教員だけが担うのではなく、教員と教員以外の専門職が連携する「チーム学校」の取り組みですが、
AIは使わないものの、大阪市でもこうしたスクリーニングシートを活用した支援は2018年(平成30年)から「大阪市こどもサポートネット」として実施されています。
※大阪府下の教員採用試験では、参考書に載っていないこういった「子どもの貧困対策」に関する内容も出題されることがありますので要注意ですが、
大阪教養対策の受講生の皆さんは、東京アカデミー大阪校で編集した「大阪教職資料集」がありますので、参考書と合わせて読み物として読んでいってください。
(参考書に載っていない、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」や「子供の貧困対策に関する大綱」等も掲載しています!)
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