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こんにちは。東京校公務員チューターです。今回はマクロ経済学です。宜しくお願い致します。
マクロ経済学は財・貨幣市場、IS・LM分析、AD・AS分析の3つの段階に分かれていてそれぞれが繋がって構成される部分と、国民所得、経済成長理論、消費・投資理論などの独立した論をそれぞれ理解していく部分に分かれています。そのため、微分して最大化を考えれば何とかなるミクロ経済学とは違って難しく感じる人も少なくないと思います。私も○○論のようにそれぞれを覚えるのは苦労しましたが、それはマクロの特徴として付き合っていくしかないと思います。
概説はフローとストックを覚えていればいいと思います。国民所得はGDP・NDP・DI(GNP・NNP・NI)の計算方法と、公共サービスや中古品取引などの帰属計算を間違えないようにしましょう。三面等価の原則も表の問題で役に立つと思います。
財市場はインフレ・デフレギャップと乗数理論をしっかりと覚えましょう。ギャップは完全雇用国民所得と均衡国民所得の勘違いをしないように。乗数理論は色々種類があって非常に難しいですが、租税乗数がマイナスなことを押さえておけば、あとは▵Y/▵○をすれば全て自力で求められることを講義で学んだので、そのあたりを意識するといいと思います。
貨幣市場はテキストのページ量は多くないですが、全てが重要と言っても過言ではありません。信用乗数は、乗数そのものと法定準備率の違いを理解しておきましょう。2021特別区の問題でこれを問う問題が出て、今年の経済学は非常に簡単だったのですが10問の中で唯一落としてしまいました…。
次にハイパワード・マネー(H)とマネーサプライ(Ms)ですが、Ms=cc+1/cc+re×Hを暗記するだけでなく、H=C(現金通貨)+R(支払準備金)かつMs=C+D(預金通貨)であることや、cc=C/Dかつre=R/Dであることも覚えておかないと対応できない問題が多いですので、ここは頑張りどころです。
貨幣需要は取引需要である取引動機と予備的動機、資産需要である投機的動機(利子率の減少関数)をしっかりとマスターしましょう。余裕のある人はフィッシャーの交換方程式とケンブリッジ方程式を覚えればもう貨幣市場は完璧です!!
財市場・貨幣市場がそれぞれIS・LM曲線にもたらす変化、利子弾力性による傾きの変化、流動性のわな、財政・金融政策によるシフトとクラウディングアウトなど覚えることは多いですが、一つひとつは難しくありません。計算問題もISとLMを分けて計算すればいいので見た目ほど難解ではないです。財市場や貨幣市場単体より素直な問題が出やすいので基本問題を取れるようにするだけでもかなり有効だと思いますしもっと言えば得点源にしたいです。
マクロ経済学の諸学派は古典派とケインズ派の2大学派の違い、マネタリスト・合理的期待形成学派・サプライサイド経済学の特徴をしっかり覚えましょう。学派・論系は覚えたもの勝ちの勝負です。
AD曲線はこれまでのIS-LM分析との関係が重要になってきます。流動性のわなや投資の利子弾力性ゼロのときは垂直になることも忘れずに。AS曲線は私も理解に苦しみましたが、結果的に「物価(P)と所得(Y)に正の相関があることが示される一般的に右上がりの線」という理解に落ち着きました。これが正しいかは保証できませんが、自分はこれでしっくり来たのでこの理解で突き進みました。PとYの連動の間のフローチャートが準拠テキストに示されているので、そこを理解できると一番いいと思います。インフレは種類だけを覚えて曲線は覚えませんでした。
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国際収支はX-M=(S-I)+(T-G)を覚えて変形させることを意識しました。為替レートはただの円高・円安なので苦労はしないと思います。これを活かしてIS-LM-BP分析のマンデル=フレミング・モデルをマスターしていきましょう。固定・変動相場と財政・金融政策で4通りのパターンがあるので混同しないようにしましょう。
経済成長理論は式こそ難しくないですが、これまでのマクロ経済学体系と脈絡が無いので忘れがちです。ハロッド=ドーマー型経済成長理論、新古典派経済成長理論、内生的経済成長理論に3つが主ですので忘れたら何度も覚え直す気持ちで向き合いましょう。景気循環論は4つの波の期間・周期・要因をそれぞれ覚えておきましょう。
4つの消費関数理論3つの投資関数理論を覚えて計算できる事と、生産連関表を読み取ることが出来れば大丈夫です。とはいえ消費関数理論と投資関数理論は経済成長理論と同じように独自の計算式なので非常に忘れやすいです。最初に書いたようにこの3つの理論がマクロ経済学を難しくしている大きな要因だと思います。
前回のミクロに引き続きマクロ経済学の傾向分析をしたいと思います。年度設定の詳しい理由など子細は前回のミクロの記事をご覧ください。
まず特別区は2003~2011までは計算が19問、理論が27問だったのですが、2012~2021の直近10年では計算が25問、理論が25問でミクロと全く同じ比率であり、計算問題が重視になってきています。
国家一般職は2004~2011までは計算が25問、理論が13問でミクロほど顕著ではありませんでしたが計算重視、2012~2021の10年は計算42問、理論8問でより計算重視になったと言えます。マクロも計算が重視される傾向にあると言っていいでしょう。特別区と国家一般職の違いもミクロと同様だったので前回のブログをご覧ください。
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