東京アカデミー立川教室
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ここからは専門科目についてお話していきます。
まずは憲法についてです。憲法は教養科目の政治と範囲が大きくかぶっているため、政治を先に勉強している人にとっては取り組みやすい科目なのではないかと思います。また、憲法を覚えていれば法律の大きな枠組みが理解できるようになるため、民法や行政法を勉強する前に憲法を勉強しておくほうが良いのではないかと思います。
ここでは私が憲法を勉強するときに心がけていたことを2点紹介したいと思います。まず1点目は、事件や訴訟などを覚えるときにその情景を想像しながら覚えることです。例えば、薬事法違憲判決について覚える時には、クリエイトとマツキヨとスギ薬局が三店舗続けて並んでいる様子を想像してみたりしていました(笑)文字だけで「薬事法違憲判決」と覚えると堅苦しくてなかなか覚えにくいですが、実際に身近なものに当てはめて考えてみると訴訟の経緯なども少し覚えやすくなるのではないかと思います。
2点目は、事件や訴訟について覚える際に、その事件名や訴訟名が出てきたら違憲か違憲でないかをすぐに判断できるようにしていたことです。同じ分野の訴訟などは、内容が似ているものも多く、かつ似たものでも違憲だったり、違憲ではなかったりするため、訴訟の内容を覚えるだけではこれどっちだったっけ?と混乱してしまうこともよくあると思います。例えば、政教分離の分野では、
津地鎮祭訴訟→違反しない
愛媛玉串料訴訟→違反する
空知太神社訴訟→違反しない
白山ひめ神社訴訟→違反しない
というように、名前からその訴訟の結論が出せるように暗記をしていました。もちろんその結果のみを覚えるのではすべての問題に対応できないため、しっかりとどのような経緯で訴訟が行われたのかも覚える必要がありますが、特別区などの問題では結果を覚えているだけで選択肢を切れる場合もあります。例えば、愛媛玉串料訴訟についての選択肢で「違反しない」と書かれていればその選択肢は×です。選択肢は一カ所でも間違っていると分かれば切ることができるため、憲法は違憲か、違憲でないのかという部分をしっかりと覚えることも大切なのではないかと思います。しかし、国家公務員などの試験では、訴訟の細かい部分が問われることも多くあるので、そのような試験を受ける予定がある人はしっかりと対策をする必要があると思います。
民法は範囲がとても広く、内容も複雑なものが多いため、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。実際、私は専門科目の中で民法が一番苦手でした。特に、債権の分野が、総論・各論どちらも壊滅的にできなかったため、結論からいうと、私は債権の分野を捨ててしまっていました。しかし、民法を捨て科目にしてしまうのは、受験先によってはかなり危険な場合もあるので、自分の受験先で民法の比重がどれだけあるのかということと照らし合わせて考える必要があると思います。このように私は、民法のうち半分を捨ててしまっていたので、あまりためになるお話はできないかもしれませんが、ここでは自分なりに頑張っていたことを紹介させていただきます。
まず、民法の勉強をするときに、私は絶対に図を書くようにしていました。民法の事例の中には甲、乙、丙などと多くの人物が登場します。また、誰が誰にお金を貸しているのか、何に抵当権が設定されているのかということも複雑に絡んでくるため、私はただ文章を読むだけではちんぷんかんぷんでした。そのため、お金の流れなどを人物の間に矢印で記入し、その文章を簡潔に図で表せるようにしていました。図に書くとその状況が分かりやすくなるだけではなく、図で暗記することもできるようになるため、本番で問題文を見たときに、あの図の事例だ!とすばやく理解ができるようになると思います。
また、私は六法を持っていたので、勉強をする中で (94条) のように条文番号が出てきたときにはその都度六法を開き、その条文を確認するようにしていました。これをすることで条文自体を覚えられるだけではなく、その都度条文を振り返ることができるので復習にもなります。特別区では条文が問題文にそのまま出てくることも多いため、特別区の志望度が高い人には有効な方法なのではないかと思います。条文を覚えていると特別区のように条文がそのまま問題の選択肢として出てきたとき、誤りに気が付きやすいです。
私が行政法を勉強していた際に心がけていたことは、憲法とほとんど同じです。実際に情景を思い浮かべながら事例を覚える事、またその訴訟や事件名から結論が言えるように暗記することです。特に国家賠償の分野などでは結論をしっかりと覚えておくことはとても役にたつと思います。行政法では一つの分野あたりに出てくる事例が憲法よりも多いため、事例の内容すべてを覚えるのは難しいと思います。しかし、それだとしても結論は頭に入れておくと選択肢を絞る際に役立つのではないでしょうか。