東京アカデミー立川教室
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ここでは、論文についてお話していきます。今回は少し長めの記事になります。
主な受験先の中で論文試験が課されるのは、国家公務員、特別区、都庁・県庁、市役所の一部などです。すべての試験で論文が課されるわけではありませんが、論文がある試験を受験する人にとっては対策が必要になります。また、特に特別区を受験する人にとっては、論文の得点比率がとても高いと言われているため、論文対策にも多くの時間を費やす必要があるかもしれません。しかし、論文が苦手だという人は多いのではないでしょうか。私も論文はかなり苦手な方でした。だからこそ、ここでは論文が苦手な私なりにどう対策をし、どう勉強に取り組んだのかということをお話できたらよいなと思います。
私が論文の練習をする際に大切だと感じたことは二点あります。一点目は、誰かに論文を添削してもらうことです。それが難しい場合もあるかと思いますが、自分一人で論文を書き進めていくよりは、一回一回添削をしてもらい、良くなかった部分を指摘してもらう方がより良い論文を書けるようになると思います。二点目は、過去問をよく見て、その受験先の論文の傾向や形式をしっかりと把握することです。傾向については、時事的なものがよく出題されるのか、政策について出題されるのか、またそれ以外のことが出題されるのか、ということは受験先によってかなり異なります。また、形式については、論文のテーマが文章だけで出題されるのか、参考にするべき図やグラフも一緒に出題されるか、などの違いがあります。そのため、まずは自分の受験先の傾向を把握する事が大切だと思います。
また、私が論文の勉強をする際にはもう一点心掛けていたことがあります。それは、自分の中で論文を書く時の型を確立させることです。具体的に言うと、序論、問題提起、本論①、本論➁、結論、結びの言葉、のように、どのようなテーマが出てもこの順番で論を展開させるというような、なんとなくの決まりを私は作っていました。このように、型を作っておき、練習でもこの型を崩さないように論文を書くことで、本番で論文の構成をわざわざ考える必要がなくなります。テーマに沿って決まった型で論文を書いていけば、結論まで完成させることができるからです。このようにしておくことで、本番も焦ることなく論文を書くことができると思います。
ここから私が実際にしていた勉強方法を時系列順に①~④で紹介していきます。
自分の受験先の傾向や形式を把握したら、まずは過去に出題されたテーマに沿って、時間を計らずに論文を書いていました。これをやったのは大体2~3年分(特別区以外を受験する場合は1~2年分でも大丈夫だと思います)です。まずは時間を気にせずに、その傾向の論文ならば、どのような構成にして、どのように型にはめ込んでいくかということを自分の中で確立させ、流れを掴むことを目標にしていました。ここで、自分の型を覚え、それに慣れる事が大切だと思います。一番初めから時間を計って論文を書くことは、あまりおすすめできません。慣れないうちに時間内に論文を書ききろうとすると、構成をしっかり考えることができず、ただただ書くだけになってしまい、あまり良い練習にならないからです。
この後は、本番の制限時間+10分の時間をタイマーにセットし、過去問にはない、今年出そうだと考えるテーマについて論文を書く練習を進めていきました。過去問にあるテーマを使うのももちろん良いのですが、過去に出たテーマと同じテーマが再度今年のテーマとして出題されることはほぼありません。そのため、過去問をたくさん解くというよりは、①の段階で過去問の傾向を掴んだ後は自分でこんなテーマ出そうだな、と考えたもので論文を書き進めていく方がよいのではないかと思います。過去問の傾向をしっかりと分析して、自分なりに出そうだと考えたテーマに似たものが本番で出題されればそれはとてもラッキーなことです。一度練習で書いたことがあるテーマなら、本番はそれを思い出して書けばいいだけなので、そんなラッキーを狙うためにも自分で問題を予想するのもとても有効なのではないかと思います。また、まだこの段階では本番と同じ制限時間内に書ききろうとしなくても大丈夫だと思います。しかし、徐々に時間を意識して論文を書く必要もあるので、このあたりでは本番の制限時間+10分、難しい場合は+15分程度を目標にすればよいと思います。
ここからは、実際に本番の制限時間と同じ時間をタイマーにセットし、論文を書き進めていきました。ここでも、テーマは自分で予想したもので書いていました。また私はこの段階から、自分が作った型のそれぞれの部分に大体何分かけるかということも意識していました。例えば、論文の構成を練り、なんとなくの下書きをするのに10分、序論に10分、本論①に20分…などのような感じです。そしてそれを全部足し合わせて本番の制限時間になるようにしていました。このようにおおよその時間を決めて論文を書いていくことで、書き進めていくうちに、今回は少し遅れているからペースアップしよう、また、今回は少し余裕があるから見直しをしてみよう、などの時間配分ができるようになります。
私が試験が近くなってから最後にやっていたことは、➂と同じ方法かつ本番の制限時間より5~10分短い時間で論文を書くことです。実際の制限時間より短い時間で論文を書き上げるのはかなり厳しいです。しかし、私は本番で時間が無くなり、論文が全て書ききれないまま終わってしまうことだけは絶対に避けたかったので、練習では短めの時間でも論文を全て書き終えられるように練習していました。本番は何があるか分かりません。テーマが今までにないほど難しかったり、良い言い回しが見つからず、長時間論文を書き進められないことがあったりするかもしれません。しかし、このように少し短めの時間でも論文が書けるようにしておけば、本番で余裕が生まれます。そのため、直前期はこのような方法で論文を書いていました。
以上のような流れで、私は論文の勉強をしていました。私は特別区を受験したので、特別区を受験しない人から比べたら論文の勉強時間が多かったと思います。そのため、①~④の流れで説明をしましたが、特別区を受験しない人であればここまでがっつりと時間を使う必要がない場合もあるかと思います。また、この勉強法は私なりのやり方なので、それぞれいあったやり方を見つけて勉強するのが良いかと思います。少しでも参考になりましたら嬉しいです。