東京アカデミー松山校
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東京アカデミー松山校公務員担当のくにかねです。
1年振りに実家に帰省しました。
今年は大雪警報が出ていたので心配でしたが、あまり積もらなかったので一安心。
猛吹雪の中運転したのは久しぶりに緊張感がありました。
正月に世界最大規模の巨大経済圏が東アジア地域に誕生しました。
その名もRCEP(地域的な包括的経済連携)協定です。
RCEPは2012年11月に交渉を開始し、2020年11月15日に署名。
その後、2021年11月2日に協定の発効要件が満たされ、寄託を終えた10か国について、2022年1月1日に発効されました。
オブザーバー参加も含めると日本、中国、韓国、ASEANなどのアジア太平洋地域15か国になるようです。
インドは中国と貿易赤字になっているからか参加を見送っています。
このRCEPは、世界の国内総生産(GDP)の3割を占めており、
日本にとっては、最大の貿易相手でもある中国や韓国と初めての経済連携協定(EPA)です。
TPPと同様に関税を撤廃して自由な貿易を推進していくことを目的としています。
広域的な経済連携というと、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定を思い出す人も多いのではないでしょうか。
2017年にアメリカがTPPからの離脱を宣言したことで、影響力と注目度も減少しました。
いま注目が集まっているRCEPとTPPとの気になる違いをまとめてみました。
1.参加国
RCEP | 日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ASEAN(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス) |
TPP | オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム |
2.参加国の総人口数
RCEP | 約22.7億人 |
TPP | 約5.1億人 |
3.世界の名目GDP総額に占める割合
RCEP | 約31%(約25兆ドル) |
TPP | 約13%(約11兆ドル) |
こうしてみると、
GDP、人口ともに世界ほぼ3割を占めているRCEPの規模の大きさが分かりますね。
一番は巨大な貿易圏ができるので、日本企業にとって輸出面での効果が期待されます。
関連する企業の収益力が高まれば、給与が上がり、個人消費が増え、経済の好循環が生まれると考えられています。
中国向けの輸出では、電気自動車に必要なモーターやリチウムイオン電池の関税が段階的になくなります。
脱炭素化の流れを推し進めることができると期待されています。
また、輸入品の価格が下がる事も考えられます。
タイやベトナム、オーストラリアなどからの衣類は、元日に関税が撤廃されています。
その他、国産品と競合しないように、「重要5品目」と呼ばれる
米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物(砂糖)を関税撤廃から除外していることも特徴的です。
2022年元日にこれだけの巨大経済圏が誕生したことは時事トピックスとして知っておく必要があります。
日本の経済立て直しの追い風になるかもしれません。
この仕組みをどうやって稼働させていくのか、非常に注目したいところです。