東京アカデミー池袋校
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こんにちは。看護学校受験対策予備校=東京アカデミー池袋校の看護担当です。
昨日1月23日(日)に実施された東京都立看護専門学校一般入試一次試験の解答速報はすでに昨日のうちに公表しました。今回は一次試験の講評です。ぜひご覧ください!
問題のレベルは昨年や一昨年と同様で、さほど難しくはありませんでした。教科ごとに簡単にコメントしておきましょう。
<国語総合>
・大問1:論説文(大岡信『ことばの力』より)
・大問2:小説(原田マハ『ギフト』より)
・大問3:論説文(岩科司『花はふしぎ なぜ自然に青いバラは存在しないのか?』より)
大問3題なのは例年通り。3題とも論説系の文章という組合せが長く続いていたのですが、2019年から十数年ぶりに大問2で小説が復活。それ以来、今回まで4年連続で論説文2題+小説1題の組合せになっています。
読解系の設問は傍線部理解、空欄補充、接続詞や副詞の選択など、これまでの過去問で出されてきたいつもの形式がほとんど。なお、以前はほとんど見かけなかった「文の挿入位置」の問題([問4])が、2020年以降、3年連続で出題されています。
一方、知識系の設問については、漢字の問題が例年の2問から1問に減りました。ことばの意味を問うタイプの設問は昨年と同じ2問([問3][問18])。なお、「二字熟語の構成」の問題([問17])が2015年以来、久しぶりに復活。これはかつて2003年~2012年にかけて、10年連続で出題されたパターンです。
<コミュニケーション英語Ⅰ>
2018年度入試で驚くほど難しい問題が出されましたが、翌2019年以降は比較的平易な出題が続いています。
・大問1:例年通りの会話問題(5問)です。2020~2021年の問題では会話の一部に入るごく短いフレーズを選ぶ形式でしたが、今回は2019年以前の、5通りの「発言」から正しいものを選ぶ形式に戻りました。空欄の直後の発言がとてもわかりやすい手がかりになっているので、答えやすかったでしょう。
・大問2:シェアサイクルに関する文章。
[問6](並べ替え)の正答は⑤ですが、下線部すべてを並べ替えて示すと、unlock it by entering the bike’s numberです。enter the numberは「数字を入力する」。
・大問3:対話文(アルバイト先での店主と学生の対話)。ここのところ、大問3=対話文というかたちが定着してきました。(2020年以降、3年連続でそうなっています。)
[問14]のWe can manage it.(何とかなるよ)や[問15]のan early riser(早起きの人)は決まった言い方ですね。
・大問4:貧しい人々への援助をめぐる文章。
文を並べ替える問題([問15])はこれまでにほとんど例がなく、新傾向と言えます。また、[問17]の用法識別も都立看護ではあまり前例がないパターンの問題でした。[as SV]には「~するとき」「~するので」「~するにつれて」「~するように」と4系統の意味がありますが、本文のasは文脈から「~するので(~なので)」です。
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大問2以降の設問形式は「空欄補充」「下線部と同じ意味になる表現」「内容合致」などがメイン。近年は「並べ替え」も毎年2問ずつ出されていましたが、今回は1問だけに減りました([問6])。
<数学Ⅰ>
「方程式と不等式」「2次関数」「三角比」([問1]~[問16])については、おおむね例年通りの出題内訳(5問+5問+6問)。高校の学習指導要領の切り替えにともなって2015年度入試から出題されるようになった分野についても、「命題・集合」2問([問17・18])、「データの分析」2問([問19・20])という配列が定着しています。
今回の問題、とくに難しくはありません。ただ、前半(「方程式と不等式」「2次関数」)は楽勝レベルの問題ばかりが並んでいるのに、後半(「三角比」)になると、すぐには解き方が思い浮かばないような問題も出てきます。そのため、最初はスイスイ快調に解いていたのに、試験の途中からあせりを感じ始めた方も多かったのでは?
ご参考までに、「三角比」の問題の解き方(着眼)をあげておきます。
[問11]三角比の相互関係式のうち、tanθとcosθが出てくる式を使います。
[問12]与えられた式を変形してsinθをcosθで表し、それをsinθとcosθの相互関係式(sinθの2乗+cosθの2乗=1)に代入します。
[問13]∠B=60°なので、正弦定理 a/sinA=b/sinB を使ってaとbの比を求めます。
[問14]円に内接する四角形では対角の和が180°になるので、∠BCD=120° これに気づけば△BCDで余弦定理を使ってすぐにCDの長さを出せます。
[問15]まずは三角形の面積の公式(S=1/2 bc sinA)を使ってsinAの値を求め、さらに相互関係式(sinAの2乗+cosAの2乗=1)でcosAの値を求めます。あとは余弦定理を使ってaの値を出すだけ。
[問16]LM、MN、NLそれぞれの長さを求めるのはそれほど難しくありません。それぞれの長さがわかれば、cosθの値は余弦定理を使ってすぐに出せるはず。
二次試験でも皆さまが思う存分力を発揮できるよう、東京アカデミー講師・スタッフ一同、心より応援しています!