東京アカデミー鹿児島校
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こんにちは。東京アカデミー鹿児島校チューターの永野です。
今回は,裁判所一般職試験について私の経験をお話したいと思います。受ける方は是非参考にしてみて下さい。
私は併願先として裁判所一般職を受けました。裁判所一般職試験は5月に行われる試験で,私が受けた中で初めての試験でした。試験慣れや面接慣れをするためにとてもいい機会だったので申し込みをしました。
裁判所一般職とはどんな仕事なのか?と思われる方も多いかと思いますので,まず仕事内容について私が分かる範囲で説明したいと思います。
裁判所では,裁判官や書記官が働いていますが,それらの仕事を支える「裁判所事務官」がいます。この裁判所事務官になるための試験が裁判所一般職試験です。裁判所事務官は,裁判所に来られる方の対応や,裁判に必要な書類の作成・郵送,裁判官とチームを組んで裁判の進行のサポート等を行います。また,事務官でキャリアを積んで試験に合格することによって,書記官になることもできます。書記官は,裁判の際に裁判官が座っている一段下に座って,裁判の内容を記録する仕事です。簡単に説明するとこのような仕事内容になっています。司法という面から,何らかの問題や悩みを抱えている国民を支えられるとても素晴らしい仕事だと思います。
説明会や紹介動画を見た感想としては,裁判所では裁判官や書記官・事務官が1つのチームとして一致団結して国民を支えられる「人を大切にする職場」であることにとても感銘を受けました。合格後のガイダンスを受けた感じも,とても暖かい雰囲気の職場で助け合いながら仕事をしているといったイメージを受けました。
仕事内容の説明が終わったところで試験の話に移りたいと思います。1次試験の内容は,教養と専門の五肢択一問題です。2次試験の内容は憲法の論文と小論文,面接試験になります。日程としては,1次試験と同じ日に,2次試験の憲法論文と小論文試験が行われます。
試験の中でのポイントは,1次試験の専門の科目です。
例年,憲法が7問,民法が13問必須となっていて,選択問題として刑法と経済のどちらかを10問を選び,計30問を解くようになっています。悩みどころではありましたが,私は刑法を選択しました。経済は他の試験でも必須の場合が多いので力を入れている方も多いと思いますが,過去3年分の過去問に目を通した私の感覚としては,経済の難易度がやや高いと感じたので,対策としては一応どちらの教科も解けるようにしていて,本番,問題や時間を見てどちらを解くか決めようと思って試験に臨みました。刑法は,授業の中で重要ポイントのみをピックアップして教えて頂き,出た問で出やすいところを把握していました。経済は他の試験でも必須となっている場合が多いので,同様に授業の復習と出た問演習を行いました。結果的には,時間をかければ経済の方が解けた感覚がありましたが,想定以上に時間がなく刑法を解くことになりました。この選択は結構重要なので,自分の得意分野などを見ながら決めてみてください。
次に,憲法記述についてです。
専門の記述問題は,裁判所一般職と国家専門職で経験しました。私は,憲法記述の授業を別途追加して受講しました。小論文とは違って,独特な書き方やポイントが多いので,ぜひ受講することをオススメします。私が行った対策としては,授業で書き方の流れを覚えることと,憲法のテキストをひたすら読み込み,記述ポイントをノートにまとめて暗記することです。憲法と一口に言っても,複数の単元があり判例も多くすべてを完全に暗記するのは不可能なので,出やすい箇所を絞って暗記していました。本番出るテーマは,東アカの先生も予想して教えてくださいますし,ネットで検索すれば予想が何個か出てくるので,私もそのテーマを重点的に対策していました。本番では,対策していたところがズバリ的中して,ほぼ完全な解答が書けたと思います。
手っ取り早い方法としては,日々の憲法の講義の中でしっかり話を聞き,この単元ではここが重要ポイントで,この判例が代表的であるという事を頭に入れておくことだと思います。記述試験は,五肢択一問題の勉強とは違って,自分で文章をつくるアウトプットの作業になるので,初めは抵抗があるかと思いますが,何度も文章を書く練習をすると慣れてきます。まずは知識を頭に入れて,あとは時間が許す限り過去問を参考に文章を書く訓練をすると良いと思います。
小論文は,他の試験の小論文と書き方などは変わりありません。ただテーマは司法に関するものになるので,過去問などに目を通しておくと良いと思います。
次に2次試験の面接についてです。
私は裁判所の面接が初めての本番の面接だったのでとても緊張したのを覚えています。私の場合は,事前に書いて郵送した面接カードの内容についてはくり返し聞かれることはなく,書いている内容に対して理由を聞くなど更に深く質問をされるといった感じでした。また,自分が発した言葉に対して2回3回と深堀されることがありました。したがって,この質問が来たらこう答えるといった型をつくってしまうのではなく,柔軟に対応できるようにイメージを膨らませることが重要だと思います。また,裁判所という事で,過去に犯罪を起こしたことがないか,社会のルールを守っているかと言ったような独特な質問もありました。全て正直に素直に答えることが大切です。
私は,初めてで緊張したこともあり全く自身がありませんでしたが,最終合格することができました。皆さんも,本命の方も慣れるために併願される方も,しっかり対策をすれば大丈夫ですので頑張って下さい。応援しています!
長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!