東京アカデミー立川教室
ブログ
こんにちは。東京アカデミー立川校の稲荷山です。
本日で東日本大震災から11年目の3月11日を迎えました。奇しくも11年前と同じ、金曜日です。
いま再び、亡くなった方々のご冥福をお祈りし、いまも震災の影響を受け経済的・社会的に苦しんでいる方々に想いを致したいと思います。
しかし本当に大切なのは、痛みを共有することだけではなく、そこから何かを学び取るかだと思います。
何かを学び取って成長しないことには、亡くなった方々も浮かばれないというものです。
大川小学校は津波の浸水想定区域に入っていませんでした。むしろ、地震発生時の地域住民向け避難場所として指定されていました。
昨年から震災遺構として公開されました(地震自体は11年前ですが、このように今も様々なことが進行中なのです)ので行ってきました。
昨年12月のある日、朝8時半ごろだったと思います。
朝早いにもかかわらずすすり泣く声が響いていた校庭に立ち、私は「自分が大川小学校の教師や児童、保護者あるいは周辺住民だったら、津波の襲来を予見できただろうか」と考えました。
海辺の学校なら予見は容易です。しかし大川小学校から海を臨むことはできません。海岸からは実に5kmも離れているのです。
児童遺族が勝訴し確定した裁判の判決では、「(宮城県の教員である)校長や教頭、教務主任に求められる知識や経験は、大川小がある地区住民の平均レベルより、はるかに高いものが必要」「教師は安全を確保するため、学校設置者(注:石巻市)から提供される(注:大川小学校には津波が来ないといった)情報も、批判的に検討することが求められる」と指摘しています。
また石巻市に対しても、「大川小に対し、危険発生時に教職員がとるべき行動の内容や手順を定めた危機管理マニュアルを作成するよう指導し、地域の実情を踏まえた内容かを確認し、不備があれば是正を指示する義務があった」と指摘しています。
皆さんはどうお感じになるでしょうか。私は非常に厳しい判決だなと思いました。
県や市の組織としての責任だけではなく、ひとりひとりの教員や、市の(担当部署の)職員に対して、強い責任感を要求する判決です。
この判決は、皆さんが就職して公務員・教員になるときはもちろん、日本で働く人すべてに跳ね返ってくるものです。「危機が発生したとき、各自がそこまで強い責任感を発揮できるだろうか?」
いま公務員試験を目指している方は、エントリーシートや論文の中身・書き方について、あれこれ考えている時期だと思います。
きょう3月11日を契機に、こういったことについても一度考えてみてください。
また、昨日3月10日は東京大空襲、来たる3月20日は地下鉄サリン事件の日です。
我々は震災から多くのことを学ぶべきですが、学ぶべきことは震災だけではありません。
受験生の皆さんは、志望する職場、関心のある分野で期待される役割について、よく考えた上で、ES・論文の記入を心がけてください。