東京アカデミー広島校
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こんにちは、東京アカデミー広島校の寺尾です。
受験生のみなさんは筆記試験の対策で忙しいと思いますが、日々のニュースをチェックしていますか?
公務員試験の内容に関係するニュースも報道されるので、注意してみてくださいね。
さて、本日は公務員試験の専門科目である、憲法・民法にお馴染みの論点の最新ニュースについてお話しします。
日本では結婚した際、夫婦の氏(苗字)について民法750条では、夫婦同氏制を定めています。
専門科目で憲法・民法を受験されるみなさんは、この民法の規定が憲法の平等原則などに違反しているのではないか、という論点があるのはよくご存じだと思います。
この問題は、合憲か違憲かをめぐって長年にわたり議論されてきました。そして、何度も裁判になりましたが、判例は依然として合憲であるとしています。
そして先日、夫婦別姓を認めない民法の規定は違憲だとして、事実婚の男女が国に国家賠償請求を求めた裁判で、最高裁判所は、またも原告の上告を退ける決定をしました。
裁判の結果としては、従来の判例どおりの結論になりました。ですので、受験生のみなさんは今まで勉強してきた知識のままで大丈夫です!
ただ、この裁判で注目すべき点は、国家賠償請求を認めない結論では裁判官5人全員が一致したものの、うち2人の裁判官は個別に「規定は違憲だ」との反対の立場を示したことです。
裁判官の一人は、「規定は、姓を変更するか法律婚を断念するかの二者択一を迫るもので、婚姻の自由を制約するのは明らかだ」と指摘し、
そのうえで「家族制度の維持という名の下で若い世代の将来の足かせとならないようにすべきだ」と述べました。
最近、夫婦別姓を容認する声が高まり、国政選挙の争点になるなど世論が動いたことも影響したのか、最高裁の見解が揺らぎつつあるように思われます。
時代の流れとともに従来の判例がいつまで維持されるのか気になるところです。
参考 2022年3月24日(木)中国新聞