東京アカデミー鹿児島校
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こんにちは。東京アカデミー鹿児島校チューターの永野です。
今回は,法律記述の対策法について話していきたいと思います。よろしくお願いします。
法律記述の試験は,私が受けた試験の中では裁判所一般職の二次試験と国家一般職の財務専門官試験で実施されました。裁判所一般職では憲法記述のみ,財務専門官試験では憲法・民法・経済学・会計学・財政学の5つの中から当日問題を見て選択が可能でした。対策としては憲法記述の授業を受けていたので本番は憲法を選択しました。
憲法記述試験は具体的に,1行から10行ほどの文章の問いに対して,自分で文章を考えて記述していく形式になります。例えば,「司法権の独立について述べよ」「表現の自由に対する制限の合憲性判定基準について述べよ」などです。裁判所一般職や近年の専門職試験ではこのような1行問題と呼ばれる簡潔な問題文が多いですが,2017年までの専門職試験では具体的な事例が挙げられており,それに対して憲法上どのような主張ができるか,憲法上の問題点について述べよといったような形式がほとんどでした。どちらの形式が来ても記述する内容はそれほど異ならないとは思いますが,いろいろなパターンで練習しておく必要があります。
出題内容に関しては,人権分野と統治分野に大きく分かれており,年によって交互になっていることもあれば,統治分野が3年連続出題されていることもありました。従って,どちらかの分野に絞るのは非常に危険だと思います。ただ,過去の出題例から予測して出題の可能性が高い分野に力を入れることは効率面からみて大切です。東アカの授業でも出題可能性が高い分野を教えて下さったり,ネットでも予想しているサイトなどがあったりするので,いろいろな方の意見を集約して目星をつけると良いと思います。実際に私も,人権と統治それぞれ5つほどの分野に特に力を入れて記述の練習を行いました。
一番気になるのは,どういう流れで記述するのか,どのように勉強すれば良いのかについてだと思います。書き方の流れや文章の言い回し,判例の入れ方などたくさんのポイントがあります。勉強法としては,まず準拠テキストをしっかり読み込むことです。それぞれの分野に重要ポイント,重要判例があり,この問題が出たらこれを書く!といったことがある程度決まっているので,まずはその重要部分を暗記することです。私は,分野ごとにノートに重要ポイントをまとめていました。そしてある程度暗記出来たら,過去問をもとに実際に書いてみて下さい。記述問題は書いてみないと覚えないので,できるだけテキストを見ずに一通り書いてみて後から修正するといったことを繰り返すと良いと思います。添削に出すと先生に見ていただけるのでおすすめします。
憲法は五肢択一問題でもほとんどの試験で出題があるので,日々の憲法の授業のときから記述を意識して勉強すると後から本当に楽になります。私も憲法記述の授業を始めて受けた時は,こんな文章書けるわけないと思っていましたが,対策したことで本番はどちらの試験でもほぼ正確な記述を完成させられたと思います。暗記あるのみですので,時間の許す限りテキストを読み込んで復習頑張って下さい。