東京アカデミー金沢校
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こんにちは、東京アカデミー金沢校の加藤です。
金沢も桜が満開になりました。城と桜は、どちらも栄枯必衰、また全く逆に、過去から現代まで続く不変の姿を連想させてくれます。
さて、本題です。
3/30のブログ(👈クリック・またはタップでご覧いただけます)において、新出題基準が発表されたことをお伝えしました。
では、これまでの出題基準と、どこが変わったのでしょうか?
出題基準の変更点については、厚労省の新出題基準が記載されているページ「『保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版』について」の中に👇のタイトルで詳しく説明されています。
今回は、この内容の中から特に注目すべき点を抜き出したうえで、実際の出題基準において、どのように反映されているか、皆さまにお伝えしたいと思います。
看護師国家試験においては、看護基礎教育におけるカリキュラムの改正経緯を踏まえ、看護の対象について地域における生活を含めて理解し、健康課題の多様化や看護の役割の拡大にあわせて、看護基礎教育を修了した時点で備えているべき必要な知識や能力を問うことができるよう、項目の充実を含めて見直しを行った。(厚生労働省「保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版 改訂概要 Ⅱ改定の概要」より)
★(略)近年の教育現場及び臨床現場の実態を踏まえ、感染防止対策に関する項目の充実を図った。
大項目 患者の安全・安楽を守る看護技術
中項目 感染防止対策
小項目 ・標準予防策<スタンダードプリコーション> ・感染経路別予防策 ・手指衛生(前回の出題基準では手洗いという表現) ・ 必要な防護用具(手袋、マスク、ガウン、ゴーグル)の選択/着脱 ・ 無菌操作 ・滅菌と消毒 ・ 針刺し/切創の防止 ・ 感染性廃棄物の取り扱い
➡空色でマークした小項目が新たに追加されました。また、オレンジでマークした小項目は、「手洗い」から「手指衛生」に表現が変更されています。
★(略)全身の感染性疾患、皮膚機能に関する項目を新設したほか、看護基礎教育における基本的な知識として学ぶ疾患について項目を整理・追加した。
大項目 全身の感染性疾患
中項目 感染性疾患の病態と診断 ・治療
小項目 ・ウイルスによる感染症(インフルエンザ、流行性耳下腺炎<ムンプス>、麻疹、風疹、エボラ出血熱、コロナウイルス感染症、ヒト免疫不全ウイルス<HIV>感染症) ・細菌による感染症(結核、コレラ、破傷風、梅毒) ・敗血症
大項目 皮膚機能
中項目 皮膚の疾患と病態と診断 ・治療
小項目 ・湿疹、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、光線過敏症<慢性光線性皮膚炎>) ・蕁麻疹、薬疹 ・感染性疾患(帯状疱疹、蜂窩織炎、白癬、カンジダ症、疥癬) ・腫瘍(色素性母斑、ケロイド、有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫) ・鶏眼<うおのめ>、胼胝<たこ>
➡空色でマークした大・中・小項目が新たに追加されました。
★身体合併症のある患者への看護や、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築と社会資源の活用など、近年の精神看護における動向を踏まえて項目の充実を図った。
大項目 精神疾患・障害がある者とその家族への看護
中項目 身体状態に関する看護
小項目 ・身体合併症のある患者の看護 ・ フィジカルアセスメントとケア
大項目 精神疾患・障害がある者とその家族への看護
中項目 精神保健医療福祉に関する社会資源の活用と調整
小項目 ・精神障害にも対応した地域包括ケアシステム ・精神科デイケア/精神科ナイトケア ・精神科訪問看護/訪問看護
・精神科外来看護 ・アウトリーチ ・行政との連携(保健所、市町村、精神保健福祉センター)
➡空色でマークした中・小項目が新たに追加されました。
特徴的な変更点や追加点はまだまだありますが、今回はこのぐらいにしておきましょう💦
わざわざ追加されたということは、そこを見逃す手はありません。
空色でマークした追加点を見るだけでも、新しい出題基準(=今後どのような看護師像が求められるか)が透けてみえてくるような気がします。
それでは、急な温度変化で体調を崩されないよう、くれぐれもお気をつけくださいね。