東京アカデミー京都校
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みなさん、こんにちは。
東京アカデミー京都校教員採用試験担当の井手です🌷
前回ご紹介した「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿実現に向けて(審議まとめ)がまとめられた要因として、
「教員免許更新制の抜本的見直し」が挙げられます。
今回は、その教員免許更新制度の抜本的見直しに至るまでの過程についてご紹介します!
まず、教員免許更新制度は平成19年6月の教員免許法の改正により平成21年4月1日から導入された制度です。
導入した目的としては、教師として必要な資質能力が時代の進展に応じて常に変化し続ける中で、
その時々で教師として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、
公教育の充実を図るとともに、教師が自身と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊厳と信頼を得ることが挙げられます。
この教員免許更新制度は、制度導入後も進展する社会的変化の中にあっても、その実効性を確保するために、
これまでの制度の在り方、運用等について、見直しが行われてきました。
教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大など、一定の成果は上がってきたものの、
・更新しなければ職務上の地位の喪失を招きかねず、自律的かつ主体的に学ぶ姿勢は発揮されにくい
・10年に1度の講習は、常に最新の知識技能を学び続けていくことと整合的でない
・個別最適な学びが求められる中で、共通に求められる内容を中心とする更新制とは方向性が異なっている
・「現場の経験」を重視した学びは更新制の客観的な要件として位置付けることが困難である
・免許状更新講習の受講は、本質的に個人的なものとならざるを得ず、組織的なものとする上で限界がある
以上のような点から、教員免許更新制を発展的に解消し、「新たな教師の学びの姿」を実現していくために、
前回紹介した「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿実現に向けて(審議まとめ)がまとめられました。
そして教員免許更新制については、2022(令和4年)7月に廃止される見込みです。
また、教員免許更新制の廃止後の教員の資質能力の維持向上のために、
・中堅教諭等資質向上研修後のものを含め、法定研修以外の研修機会の更なる充実
・研修方法に関して、対面・集合型の研修だけでなく、オンデマンド型や同時双方向型のオンライン研修を組み合わせるなど、
効果的・効率的な実施方法を採る
・自らの日々の経験や他者から学ぶといった「現場の経験」を重視したスタイルの学びが求められているようになっていることを踏まえ、
校内研修や授業研究をはじめとする学校における様々な機会や場面を、教師の学びとして位置づけて活用していくなど、
日常的な校内研修等を充実させる
以上のようなことが今後求められてきます。
教員免許の更新廃止後、教員の資質能力の維持向上のためにどうするべきか?
などといった質問は、おそらく2022年夏試験の人物試験での出題が予想されるので、自分なりの考えをまとめておきましょう!
参照:中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第5回)・初等中等教育分科会教員養成部会(第126回)合同会議資料
「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ) (PDF:725KB)