東京アカデミー京都校
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マイナンバーカードについて、2021年10月より健康保険証として利用が可能となりました。
それでも、マイナンバーカードの交付率は2021年12月時点で約40%と全国民の半数も満たしておりません。
そこで、デジタル改革関連法による、マイナンバー制度の拡充を図るなどデジタル庁が多角的に普及に向けての対策を実施しています。
また、総務省は2022年1月より、マイナポイント第2弾を実施し、最大2万円のポイントを付与するなど普及率の上昇を図っています。
今後は、普及の促進方法が予想問題として考えられます。
実際に、2021年度のA日程の統一試験の教養試験で出題された問題をご紹介いたします。
昨年度の問題としては、マイナンバーカードに関する基本的な知識や利用目的を問う問題でしたので、ご確認ください。
■日本では2 0 1 6 年にマイナンバー制度が導入された。マイナンバー(個人番号)は,一人一つの1 2 桁の番号である。日本におけるマイナンバー制度及びマイナンバーカードに関する次の記述ア~オのうちには妥当なものが二つある。それらはどれか。
ア マイナンバー(個人番号)は,日本に住民票を有する者のうち,希望者に限って通知されており,通知を希望する者は申請する必要がある。
イ マイナンバー制度の下でも,個人情報は特定の共通データベースで集約され一元管理されているわけではなく,従来通り年金の情報は年金事務所,国税の情報は税務署といったように,分散して管理されている。
ウ 住民票の写しなどの各種証明書を,コンビニエンスストア等で取得できるサービスが導入された。このサービスを利用する際に必要になるのはマイナンバーであって,マイナンバーカードは必要ない。
エ マイナンバーカードを取得して一定の手続きを行った者を対象として,キャッシュレス決済に利用できる「マイナポイント」を国が付与する事業が実施された。
オ マイナンバーカードの利用範囲が広がっている。カードは2 0 2 0 年に運転免許証との一体化が実現したが,さらに2 0 2 1 年1 月には健康保険証として利用できるようにする仕組みの本格運営が始まった。
1 ア,ウ
2 ア,エ
3 イ,エ
4 イ,オ
5 ウ,オ
A.3(イ、エ→〇)
マイナンバーカードの普及の目的は、国民の利便性の向上、行政の効率化、公正・公平な社会の実現を目的としています。
ただ、マイナポータル連携のサービスが拡大していくことにより、マイナンバーカードの情報漏洩のリスクが高まります。
また、高齢者やインターネット分野に精通していない方にとってはマイナンバーの申請そのものが手間なため、今後は普及のための対策が必要です。
デジタル庁は今後のマイナンバーカードの普及として、下記の政策を実行しています。
2021年5月19日に公布されたデジタル改革関連法による、マイナンバー制度の拡充。
関連法制定の背景としては、新型コロナウイルス対応等においてデジタル化の遅れた顕在化したため、デジタル社会の掲載に関する司令塔として行政の縦割りを打破し、行政サービスを根本的に向上する目的があげられている。
・マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォンへの搭載
・任意で公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録し、緊急時の給付金などの受取に当該口座が利用できる仕組みの創設 等
さらに、マイナンバーカードやマイナポータルを活用した
・デジタル・ハロー ワーク・サービスの推進による教育訓練給付金の電子申請の推進、各種申請書類等の簡素化
・納税手続のデジタル化 (年末調整・確定申告手続に必要となるデータの一括取得、各種申告書への入力・添付の自動化等)の推進
各府省は、上記マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進を強力に推進するとともに、各業所管官庁から関係業界団体等に対してマイナンバーカードの積極的な取得と利活用の促進を呼びかけています。
今後はいかに上記の政策を高齢者や情報弱者に周知し、普及していくかが問題点となってきます。
今後の予想問題としては、集団討論や集団、個人面接の内容として、下記のような問題が考えられます。
Q:今後のマイナンバーカードの普及に関して、デジタル改革関連法やデジタル手続法を背景として、いかに高齢者や情報弱者に対してマイナンバーカードの普及を促進させていくのか。
解答例:
・病院、介護施設等 マイナンバーカードの健康保険証利用の周知等とあわせ、市区町村と連携し、出張申請サービスの実施等を推進する等、マイナンバーカード一体化を利用した申請・交付場所の拡大を推進する。
・高齢者向けの公共交通サービスにおける資格確認や精算、検診結果や予防接種情報等の母子保健情報を閲覧できるサービスでの本人確認、大規模音楽・スポーツイベント等でのボランティアの入場管理における本人確認等、公的・民間サービス提供における様々な場面でマイナンバーカードを活用する機会を創出し、その横展開を推進する。
・学校等において、生徒等に対して、社会科等において、情報化、社会保障、個人情報保護等の理解とあわせ、マイナンバー制度を取り上げるなどにより、マイナンバーカードの周知を図る。また、マイナンバーカードの申請・交付の機会を拡大するため、入学式や運動会等の住民が学校等に集まる機会での出張申請サービス等を積極的に推進する。