東京アカデミー松山校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー松山校の教員採用試験対策担当の石井です。
5月13日に文部科学省より、改正教育職員免許法施行後の教員免許状の取扱いについて(周知)の発表がありました。
まず、2007年6月に改正された教育職員免許法(教員免許法)では、教員免許更新制が大きな改正点でした。それまでは、一度取得するとその後、教員免許の有効期限はありませんでしたが、この改正によって教員免許に原則10年の有効期限が設けられ、期限がくる前に免許状更新講習を受講し、修了しなければ免許が失効することになりました。その狙いについては、「定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指す」と文部科学省は述べていました。
そして、2022年7月1日施行の改正教育職員免許法では、その教員免許更新制に係る規定を削除し、普通免許状と特別免許状を有効期限の定めのないものとしています。ではなぜ、今回はこのような改正に至ったのでしょうか?
理由には、例えば経費の問題であったり、教員免許所持者の不足の問題であったり、様々なものがありますが、受験生は、免許更新制に係る規定の削除について「発展的解消」が理由、と捉えることがポイントです。
「発展的解消」を理解するには、『「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ)』(令和3年11月15日中央教育審議会 )を読み解く必要があります。そのポイントをズバリまとめると、
つまり、これまでの免許更新制で受講する講習や研修よりも、自主的に、主体的に学びぶことができる環境を整え、各教師の個別の課題に見合った講習や研修を選択することができる、ので「発展的解消」と位置付けていると捉えることが大切です。
2022年夏の採用試験においては前述の『「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ)』(令和3年11月15日中央教育審議会 )が筆記試験で出題される可能性は十分にあります。改正教育職員免許法そのものについては、法規的にはまだ施行されていないため、2022年夏での出題は難しいと言えます。免許更新制の「発展的解消」について、その経緯と意味を主体的に捉えておくことが大切だと考えます。