東京アカデミー京都校
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皆さん、こんにちは。東京アカデミー京都校の公務員試験担当です。
今回は、国家公務員、地方上級、市役所、警察官、消防官問わず、いずれの試験においても頻出の「労働事情」をテーマに、主に筆記試験対策を取り上げていきたいと思います。
「労働事情」については、主に以下の調査に関する出題がなされます。
・労働力人口 ・労働力率 ・完全失業率 ・有効求人倍率 ・非正規雇用者数
上記の特に「女性」「高齢者」「非正規労働者」「外国人」に関する問題が多い傾向にあります。
「1、過去の出題テーマ」に取り上げられる項目について、その数値の正誤が直接問われる問題は少なく、その数値の変動「増加」「減少」「上昇」「下降」の正誤が問われる問題が多い傾向にあります。
・労働力人口
2020年平均6,868万人(前年差18万人減)⇒8年ぶりに減少
男女別では、男性3,823万人(前年差5万人減)、女性3,044万人(同14万人減)⇒女性の減少者数、減少率が高い
・労働力率
2020年平均62.0%(前年比0.1%減)⇒8年ぶりに減少
男女別では、男性71.4%(前年と同率)、女性53.2%(前年比0.1%減)⇒女性の率が減少
・完全失業率
2020年平均で2.8%(男性3.0%、女性2.5%、前年比0.4%上昇)⇒11年ぶりに上昇
・有効求人倍率
2009年のリーマンショック後、上昇傾向で2019年1.60倍と過去最高の水準。2020年平均は1.18倍で減少に転じ、2021年平均も1.13倍と減少傾向が続く。
・非正規雇用者数
2,090万人(前年差75万人減)と大幅に減少。
・高齢者(65歳以上)の2020年平均の労働力人口は、 全体では男性、女性とも前年差で8年ぶりに減少する一方、922万人(前年差15万人増)と増加している。
・高齢者(65歳以上)の2020年平均の労働力率は、 全体で男性同率、女性0.1%減と前年比で減少傾向にある一方、「65~69歳」で1.5%増、「70~74歳」で0.6%増、「75歳以上」で0.2%増といずれも増加傾向にある。
・日本で働く外国人労働者は、2020年10月で172万人(前年差6万人増)。2007年に外国人雇用状況の届出が義務化されて以降過去最高を更新したが、増加率は前年13.6%から9.6ポイントの大幅な減少。国籍別では、ベトナムが中国を抜いて最も多くなり、44万人(外国人労働者全体の25.7%)。次いで中国42万人(同24.3%)、フィリピン18万人(同10.7%)の順。一方、ブラジルやペルーなどは、前年比で減少。
・女性の活躍促進
2020年6月1日に施行された改正男女雇用機会均等法により、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントに関する国、事業主及び労働者の責務の明確化や、相談したこと等を理由とした不利益取扱いの禁止等、セクシュアルハラスメント等の対策が強化された。
・高齢者の雇用状況
2021年4月1日に施行された改正高年齢者雇用安定法により、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、事業者に対し、以下の①~⑤のいずれかの措置を講ずる努力義務が設けられた。
① 70歳までの定年引上げ ② 定年の定めの廃止 ③ 70歳までの継続雇用制度の導入
④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤ 70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の導入
(2021年)滋賀県 論文試験
持続的に成長できる社会の実現のためには、女性が活躍できる環境の整備が不可欠ですが、「L字カーブ」という言葉に代表されるように、出産期を境とした女性の正規雇用率の低下が近年問題となっています。こうした状況を踏まえて、女性が正規雇用労働者として活躍していくため、行政としてどのような施策が必要と考えるか、あなたの考えを述べてください。
(2020年)滋賀県 論文試験
人口減少と高齢化が進み、労働人口の減少や地域活力の低下といった影響が出ている現代社会において、年齢、性別、障害の有無、国籍などを問わず多様な人々が活躍できる職場や地域づくりが重要と考えられます。多様な人々が自分の能力を発揮できる共生社会の実現に向けて、行政は今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べてください。
(2020年)奈良県 論文試験
奈良県では、2 0 歳から6 4 歳までの女性の就業率が全国最下位となっており、女性の働き方改革と仕事場づくりが課題となっています。そこで、県内における女性の就業率が低い要因を整理・分析した上で、女性が就労により能力を発揮し活躍するために行政としてどのような施策に取り組むべきか、具体的に述べなさい。
厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」によると、完全週休2日制より休日日数が実質的に多い労働者の割合が11.3%と年々増加傾向にあり、近年週休3日制が注目されています。週休3日制を導入する企業が増えている背景と、そのメリット、デメリットについて述べてください。