東京アカデミー池袋校
ブログ
今回は東京都キャリア活用採用選考や特別区経験者採用の教養試験対策に焦点を当ててみたいと思います。
多くの地方自治体の1次試験では、日本人事試験研究センターが提供する共通規格の試験問題(教養試験・社会人基礎試験)が使われています。(最近はSPI3など民間の適性検査を使うケースもかなり増えていますが。)
一方、東京都や特別区は他の自治体と違って教養試験を独自に作成しており、しかも問題の大半をウェブサイト上に公開しています。したがって、この2つの試験(選考)については、教養試験の「傾向と対策」をかなり詳細に検討できるのです。それぞれ簡単にまとめておきましょう。
[東京都キャリア活用採用選考の教養試験]1次試験=2022年8月14日(日)
2時間で40問に答えます(全問必答)。出題のレベルは基本的に高卒程度試験と同じくらい。
近年の問題の内訳は、一般知能24問(文章理解[現代文・英文]が8問、数的・判断・空間・資料が16問)、一般知識16問。特筆すべきは、2年前から一般知識16問のうち8問が時事(社会事情)問題になっていこと。(5問はふつうの時事問題で、3問はとくに都政に関わる問題です。)
出題内訳からすると、
★一般知能24問については、手堅く取れるように問題慣れしておく
★一般知識16問については、時事(社会事情)に重点に置いて対策しておく
……といった構えでよいでしょう。
[特別区経験者採用の教養試験]1次試験=2022年9月4日(日)
1時間45分で35問に答えます(一部の問題が選択解答制)。こちらも出題レベルは高卒程度試験と同じくらいです。
1級職で受ける場合と2級職で受ける場合とで、問題内訳が微妙に異なります。1級職なら文章理解(8問)、数的や判断など知能系問題(16問)、時事・社会事情(6問)の合計30問が必答。さらに知識系問題として15問中5問を選択解答します。2級職の場合は必答問題の文章理解が1級職よりも2問多い10問なので、合計32問が必答。さらに知識系問題として12問中3問を選択解答します。
この出題内訳からすれば、まずは出題ウェイトがとても高い数的・判断・空間・資料の問題を重点的に対策すべきでしょう。「資料解釈」の問題は慣れればある程度確実に解けるようになりますし、「数的処理」「判断推理」についてはとくによく出ているパターンの問題に絞って対策する手もあります。
また、時事(社会事情)についても問題数が多いのでいちおう対策しておきたいところ。ただ、特別区経験者採用の時事(社会事情)問題はその年の上半期(とくに1月~4月くらい)に報道された内容から出されることが多いので注意してください。(1年以上前の話題はほとんど出ません。)
実のところ、東京都キャリア活用採用選考、特別区経験者採用のいずれにおいても、教養試験のウェイトは決して高くありません。
特別区経験者採用の1次試験は2本の論文(職務経験論文+課題式論文)の成績だけで評価されます。つまり、教養試験は「足切り」として使われるだけですから、そこそこの点数が取れていればそれでよいことになります。(高得点は必要ない。)
東京都キャリア活用採用選考についても、配点ウェイトは公表されていませんが、教養試験での高得点はとくに必要ないと見られます。
この2つの試験(選考)に限っては、教養試験対策は「短時間に要領よく」進めれば十分なのです。