【教員採用試験】「不登校に関する調査研究協力者会議　報告書」重要ポイント

東京アカデミー大阪校の教員採用試験担当の各務です。

2022年6月10日付で、「不登校に関する調査研究協力者会議　報告書」が発表されました。

この報告書は、サブタイトルに「～今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について～」とある通り、
今後の不登校児童生徒への支援に関して優先的・重点的に実施すべき方策が纏められています。

今回のブログでは、この報告書の重要ポイントを纏めてお伝えします！

🔍不登校に関する出題は大阪でも頻出！

大阪では、「教育機会確保法」や「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」などから、過去5年で3回の出題がありました。

 

不登校の現状について

～「令和２年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」（令和３年10月文部科学省）～

• 小・中学校における不登校児童生徒数は調査開始以来最多の196,127人
• 学校内・外いずれの機関においても相談・指導を受けていない児童生徒34.3%

⇒課題を抱えている児童生徒を早期に把握し、適切な支援に繋げていくことが必要。

 

～「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」（令和３年10月不登校児童生徒の実態把握に関する調査企画分析会議）～

• 「最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」について、「先生のこと」「身体の不調」「生活リズムの乱れ」「友達のこと」がそれぞれ３割程度。
  教員や学校の対応や理解不足がきっかけで不登校となった事例も。
• 学校を休んでいる間の「最初のきっかけとは別の学校に行きづらくなる理由」では、「勉強が分からない」が最多。
  欠席中の学習支援の重要性が再認識。

⇒経験等により得られた特定の指導・支援方法が、個々の児童生徒の状況によっては適さない場合もある。

 

✅不登校支援の目標（「不登校児童生徒への支援の在り方について（通知）」の復習）

・登校という結果のみを目標とせず、社会的自立を目指す。
⇒学校に行けなくても、悲観するのではなく、様々な教育機会を活用する！

 

今後重点的に実施すべき施策の方向性

今回の報告では、4つの方向性が示されました。教員に関わりが深い部分のみを紹介します。

①誰一人取り残されない学校づくり

• 専門職を活用したチーム学校による魅力ある学校づくり
• 養護教諭やスクールカウンセラー(以下SC)等を活用した心の健康の保持に係る教育の実施

②不登校傾向のある児童生徒に関する支援ニーズの早期把握

• スクリーニングの実施、スクリーニングにより課題を把握した児童生徒に対する「児童生徒理解・支援シート」を活用した支援策の策定
• 一部の学年を対象としたSCによる全員面接により、SOSを出せていない児童生徒を早期把握、大人へ相談することの敷居を低減
• 一人一台端末を活用し、児童生徒の健康状況や気持ちの変化を確認

③不登校児童生徒の多様な教育機会の確保

•  不登校特例校の設置推進や指導体制の充実
  
• 「不登校児童生徒支援協議会」の設置・活用等による学校・教育委員会とフリースクール等民間団体との連携促進
• フリースクール等民間団体や自宅におけるICTを活用した不登校児童生徒の学習状況を学校において適切に把握し、出席扱い等につなげていくための課題分析や改善方法に関する調査研究の実施

④不登校児童生徒の社会的自立を目指した中長期的支援

• 学校復帰のみにとらわれず、不登校児童生徒の将来を見据えた社会的自立のため、多様な価値観を認め、児童生徒の目標の幅を広げるような支援の実施

 

前年に公表された報告・通知・答申は翌年の試験に出題されやすいので、2023年受験者は今回取り上げたポイントを中心に要チェックです！！

また、面接で「取り組みたいこと」として不登校支援を挙げたい人は、より深く理解し、具体的に語れるように準備しましょう。

 

イベント・短期講習のご案内

・2022受験　2次・3次試験対策　7月下旬～8月実施
・2023受験　勉強法セミナー　9月下旬～10月上旬
・2023以降受験　オープンスクール・個別相談　随時実施

Twitter始めました！

・東京アカデミー関西エリア教員採用試験のTwitterを開設しました！
関西エリアの試験情報、イベント・講座案内など、受験生の皆さまに役立つ情報をご案内いたします。
ブログの更新情報もツイートしておりますので、ぜひフォローをお願いします！